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[2673] 格差社会の研究
日時: 2017/01/22 14:23
名前: 天橋立の愚痴人間 ID:QfP4oAKg

格差の問題を取り上げてみたいと思います。
ます、全文引用の文章から始めます。
引用していても、決してそれを正解と位置付けるものではありません。
ほとんどの既成の文章は、本当の原因に触れようとせず、表面的な対症療法を示唆しているものであるからです。


http://benedict.co.jp/smalltalk/talk-313/
「広がる格差}

地球上の「富める者」と「貧しき者」を黄金の天秤(てんびん)にかけると・・・

富裕層上位80人の資産総額=貧困層35億人の資産総額

富裕層上位1%の資産総額=残る99%の資産総額

ありえない・・・

ところが、これで驚いてはいけない。貧富の差はさらに拡大しているのだ。

たとえば、米国では・・・

時給10ドル前後の低賃金労働は、リーマンショック時には全体の20%だったが、その後、60%に拡大している。

一方、日本でも・・・

「相対貧困率」は増加の一途をたどっている。「相対貧困率」とは、全世帯の中央値(年収244万円)の半分に満たない貧困者の比率で、2010年で16%。つまり、全世帯の16%が年収122万円以下で暮らしているわけだ。

さらに・・・

OECDの2010年の統計によれば、日本の相対的貧困率は世界で第6位(調査した国の中で)。弱肉強食を極めたアメリカ合衆国の「17.4%」に次ぐ高さなのだ。しかも、国家破綻がウワサされたギリシャの「14.3%」より高い。

一体どうなっているのだ?

日本は、貧富の差が世界一小さい国だったのでは?

たしかに、今の世相をみると、貧困女子、若者の貧困・・・若年層の貧困の問題が目立つ。とくに、20代の若者で、働いても生活が成り立たない貧困を「ワーキングプア」とよんでいる。このような若年貧困層が30〜40%も占めるという。「下流老人」、「中年ニート」も問題だが、人生これからの若者世代がこれでは夢も希望もない。

日本はいつからこんな国に成り下がったのか?

格差の問題は2つある。

格差の「大きさ」と「増加率」だ。両方とも大きいのだから、格差は広がるばかり、行き着くところは「ディストピア」しかない・・・

ディストピア?

ユートピア「理想郷」の真逆、究極の格差社会「暗黒郷」だ。古典映画の名作「メトロポリス」を彷彿させるではないか。

■究極の格差社会   

「メトロポリス」はSF映画の原点と目されているが、じつのところ、究極の「ディストピア」映画なのだ。1926年、ドイツのフリッツ・ラング監督によって製作されたが、今ではお目にかかれない白黒・無声映画。ところが、インパクトは超弩級、90年前の映画とは思えない。

ストーリーは一大叙事詩の風格がある・・・

2026年、壮大で威厳にみちた巨大な摩天楼がそびえ立つメトロポリス。その摩天楼の上層階に優雅に暮らす支配階級、一方、地下で過酷な労働を強いられる労働者階級・・・この世界は完全に二極化された階級社会なのだ。

ところが、どんな世界にも醜いアヒルの子はいる。支配階級のリーダー・フレーダーセンの息子フレーダーもその一人だった。彼は労働者階級の娘マリアに一目惚れし、地下社会に同情するようになる。一方、マリアもフレーダーを支配階級と労働者階級の橋渡しとして期待する。

それを知ったフレーダーセンは悪魔のような計画を思いつく。科学者のロトワングにマリアに似せたアンドロイドを作らせ、本物のマリアとすり替えたのである。アンドロイド・マリアを地下社会へ送り込み、労働者の団結を破壊するために。

ところが、科学者ロトワングはフレーダーセンに深い恨みを持っていた。そこで、この計画を利用して、メトロポリスを破壊しようとしたのである。ロトワングの密命をうけたアンドロイド・マリアは、地下社会の男たちを虜(とりこ)にし、扇動してメトロポリスの心臓部を破壊してしまう。

一方、労働者たちはアンドロイド・マリアに扇動されていたことに気づく。怒り狂った労働者たちはマリアを火あぶりの刑にしたが・・・炎の中から現れたのは機械仕掛けのマシンだった(アンドロイド・マリアは映画史上最も美しいアンドロイドといわれている)。

その後、助け出された本物のマリアとフレーダーは支配階級と労働者階級の和解の道を模索する。

ということで・・・
 
映画「メトロポリス」の格差社会はアンドロイド・マリアによって破壊された。一方、現実世界のヨーロッパの格差社会は、フランス革命によって粉砕された。


では、今の格差は誰が解決するのか?

じつは、格差を是正する仕掛けはすでにある。たとえば、累進課税。所得が多いほど、税率を指数関数的に高くして、富める者からたくさん税金をとる。それを、国のインフラやサービスにまわせば、富の再分配が行われる。結果、貧富の差が収束するというわけだ。

ではなぜ、現実はそうなっていないのか?

累進課税は給与所得が対象で、株の配当や売買益には適用されないから。

たとえば、年収が1億円とすると・・・給与で稼いだら税率は50%、株の配当や売買益なら税率20%。

もちろん、後者の恩恵にあずかれるのはお金持ちだけ。食うや食わずの人が株など買うわけないから。

だから、金持ちほどお金は増える、格差が広がるのはあたりまえなのだ。

じつは、ココに目をつけたのが、経済学者トマ・ピケッティだった。
 
■ピケッティの21世紀の資本

ピケッティが著した「21世紀の資本」は世界中でベストセラーになった。2014年、日本語版も出版されたが、やはりベストセラーに。こんな小難しい、しかも、700ページをこえる経済書が、なぜ売れたのか?

現代の深刻な問題「格差社会」を扱ったから。しかも、推測や憶測ではなく、膨大な資料をベースにしている。

ピケッティは、過去300年間の各国の税務資料を調査し、貧富の差は、戦後の一時期をのぞいて、増え続けていることを発見した。そして、その原因をカンタンな式で表したのである。

資産の増加率 > 給与所得の増加率

一言でいうと、給料が増えるより、資産が増える方が速い!

たとえば・・・

資産運用で代表的な投資信託や株式の年間リターンは平均3〜40%ぐらい。もちろん、給料はこんなハイペースで上がらない(ふつうのサラリーマンなら)。

しかも、富を再分配する仕掛け「累進課税」は、資産のリターンは対象外。だから、「働いて稼ぐ=給与所得」は税金面でもハンディがあるわけだ。

事実、ピケティの調査によれば、1950年から2010年までに、資産は25倍に増えたのに(年率5.3%増)、所得は10倍(3.8%増)にしか増えていない(世界の平均)。

(ピケティの理論の補足)

彼は、累進課税の徹底と同時に、新たに資本税の導入を打ち出している。
累進課税の徹底は、以前もそうであった様に、我々も概念的には捉える事ができる。
しかしながら、所得税の累進課税を徹底しても(最高税率を75%)現在の所得税の総額約13兆円が7兆円増える程度であり、先に言った福祉制度の維持は、それだけでは出来ない。

資本税(資産税)の中には、既に固定資産税と言うものがあり、そこまでは理解できる。
また、資産があっても固定資産税を納める為に苦労している人たちも少なくはない。
年々の利潤に対しての課税以外、この上に、貯金、有価証券、ヘッジファンドなどの現金に手をつけることは、確かに今までの徴税とは異なる領域へ踏み込むことになる。

例えば、ピケティは、タックス・ヘイブンに送られた資産が、世界のGDPの実に7%にも達することを膨大なデータから弾き出しました。こうしたキャピタル・フライトを防ぐためにも、彼が提唱したのが、「世界的な金融機関の情報のオープン化」も必要になるが、実際にそこまでの手段が取れるか、否かも問題になる。

メンテ

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Re: 格差社会の研究 ( No.2 )
日時: 2017/01/22 14:08
名前: 天橋立の愚痴人間 ID:QfP4oAKg

 第4の論点として、対応策については、累進所得税、相続税、教育、労働市場政策、金融監督、公正取引・競争政策、国際的な税務協力等が考えられる。

第1に税制である。所得税(賃金所得税、資本所得税)と相続税が、所得及び資産の格差拡大に対処する直接的かつ最も効果的な手段と考えられる。ただし、欠点もある。賃金所得税に関しては、短期的及び中長期的に経済活動(労働時間、生産性の向上、イノベーション等)にマイナスの影響を与える可能性がある。相続税は、子孫に財産を残すことを目的とする利他的な遺産動機が妥当であれば、資本蓄積を阻害する懸念がある。そして何よりも、資本・企業・人の国際的な移動が容易となる中で、有能な人材、企業、財産がタックス・ヘイブンに逃れてしまう可能性が否定できない。経済格差に対処するための適切な税制レジームの可能性とそれに対するグローバリゼーションの制約について、現時点で十分な知識やコンセンサスは得られていない。今の時点では、ある程度の非効率を受け入れつつ、所得税や相続税の累進度を高めて、経済格差の拡大へ対処することになろう。また、給付付き税額控除は、労働のインセンティブを活かしつつ、経済格差を抑制する手段として、有益な方法とみられている。

第2に、途上国の税制に関しては、経済エリートを優遇する社会的慣行から、所得税や相続税は僅かしか課されていない。しかしながら、途上国の経済格差の拡大は、既得権益層の支配力を高め、また、教育や健康面での機会の不平等を著しいものとし、経済成長を阻害していると考えられる。一方で、国内の金融資産の総額や流れを追跡することを可能とする技術進歩は進展している。戦後の日本の経済成長と厳しい累進税制の経験からは、中下位層の所得環境を底上げすることで持続的な経済成長がより円滑となることが示唆される。中進国の罠から脱却するために、所得の再配分を支える累進的な所得税と相続税を導入する必要性は、途上国に押しなべて高いと考えられる。

第3に、教育の充実である。教育の公平な提供は、機会の均等を図り、不平等の少ない社会の構築に貢献する。また、有能な貧しい子供に教育の機会を与えることで、公平性とともに、効率性を向上させることにも資する。特に、途上国では所得格差と教育格差は顕著であり、所得と教育の相関はクロスカントリーでも各国の時系列でも確認されている。

第4に、労働市場への介入として、職業訓練の充実、最低賃金の引上げといった方法は、所得の格差拡大の抑制に有効と考えられる。最低賃金の引上げに係る企業のコストを和らげるための低所得者向けの社会保険料の軽減措置も有効な手段と考えられる。

第5に、金融監督や公正取引・競争政策を通じて、少数の企業による市場占有率の高まりを抑制し、市場の公平な競争を強化することを通じて、経営者の報酬決定能力を弱める必要があると考えられる。市場の規制緩和は常に新たな既得権益を生むことにつながりかねないことから、常に新たな視点で市場の競争状態を確認していく姿勢が問われている。

第6に、経済格差を是正するために、Piketty(2013)らは、累進所得課税の再強化とともに、国際的な累進資本課税の実現に向けて、金融情報の透明性の向上と税務当局間の協力の強化の必要性を指摘する。最近のパナマ文書による世論の関心の高まりがこうした動きを後押しすることが期待される。

 グローバリゼーションや技術進歩等は日本社会にも影響を与えているが、日本ではジニ係数の上昇や上位層の総所得に占める割合の増加は顕著なものではない。Borjas(2016)は、アングロサクソン諸国と欧州大陸諸国の相違として、高技能労働者への需要の高まりに対して、前者は価格(賃金)の変化で対応し、後者は数量の変化(失業、非労働力化)で対応した可能性を示唆する。日本でもバブル崩壊以降、不安定雇用割合や未就業者割合が特に若年層で高水準となっている。さらに、日本では、1980年代半ば以降、子供貧困率が顕著に高まっている。

 Bourgion(2015)は、経済格差が高まっているアメリカで、国民の多くがアメリカ社会を公平で公正な国と考えている理由の一つとして、アメリカでは結果の平等より機会の平等を優先することが影響している可能性があるとしている。日本人の格差拡大の懸念の高まりの背景として、就学期間や社会の入口で教育及び就労に関する機会の平等が狭められ、また、低成長下の日本社会がやり直しの効きにくい社会になっているとすると、僅かに上昇したジニ係数等が示す結果の不平等以上に将来の日本にとって憂慮すべき事態であるのかもしれない。生涯の所得格差への研究を含めて、さらに経済格差に関する分析が深められることを期待したい。


終わり。

以上の文章の検証は次回からとします。
メンテ

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