すべての金(きん)は、スイスに通じる(7)>経済破綻の原因は、常に金融緩和によって引き起こされる。 ( No.626 ) |
- 日時: 2017/07/20 18:03
- 名前: イントィッション ID:oIAr8l72
- 日時: 2016/02/24 07:34名前: 満天下有人 ID:SpeoNxU6
また同じ話を持ち出して恐縮ながら、1989年の2200億円もはたいた三菱地所によるデビッド・ロックフエラーの、ロックフエラーセンタービルの買収劇、あれは単にバブル頂点の象徴としてだけ捉えるよりも、裏に何か米欧、日に絡む複雑な後始末の結果では無かったのか、欧州バーゼルの策略による金の戦略の結果が、回り回って、その清算の為に日本を担ぎ出したシナリオがあったのではないか・・・あれを単に「日出る国、ジャパン・アズ・NO.1」と、おだてられて、称賛の言葉で誤魔化されてしまったのではないか。明治ご維新以来の我が国伝統、何時ものようにうまく利用された何かがあったのではないか、と思われて仕方がない。
1980年代の米経済が、乱高下した状況を、時系列的に纏めて見て、昨今の多々ある世界経済破綻の引き金と照らし合わせて見るのも、面白い。勿論、現在の方が、原油暴落に始まり、シーエルガスへの連鎖、金融機関への不安拡大、中国経済の行き詰まり、世界規模で行われている超金融緩和、為替問題、地政学的不安定の増幅、etc.どれが引き金になってもおかしくない程に、それぞれの要因が複雑に絡み合って、正に渾沌状態の度を深めている。
さて1980年代の米経済の不安定さは、何から始まったのか、
〇1981年、経済音痴のレーガン大統領就任。 大型減税実施により、逆に経済が伸びるとするレーガノミックス発動。税収増期待分を軍事費増強に使い、海外からの米国債への投資を促進、これがインフレを惹起。公的金利14%→20%台に上昇。ドル高により米国内産業衰退。安い輸入品が溢れかえった。だが、インフレが収まらない。政策金利を上げると外からのドル流入でバブルに拍車がかかる。これを見れば分かる通り、現代社会の経済のブレは財の需給関係だけでなく、通貨変動=これを操作する金利動向及び為替によって、大きく揺さぶられる複雑な仕組みになっている。そして過剰通貨供給は必ずバブルを引き入れて、破綻に至る。ケインズが既に論破していた貨幣錯覚、流動性の罠という理論は、どうやら人類には理解できないもののようだ。財の側面だけから制御できる単純なものではない。それが昨今、通貨面からまた起っている。
〇1985年・プラザ合意 他の先進諸国にドル安政策転への合意を求める。世界的に金融緩和傾向に転換。株式バブルの発生。
〇1987年・史上二番目のNYダウ大暴落とされるブラックマンデーの発生。
この前後に、米二大メガバンクである、D・ロックフエラーのチェスマンハッタン銀行と、JPモルガン銀行の業績が、破綻に近い程に悪化。
〇1989年:三菱地所、マンハッタンの象徴・ロックフエラーセンタービルを2,200億円で買収。
〇1993年:クリントン政権スタート。ゴールドマンサックスCEOであったロバートルービンが大統領経済財政特別補佐官に就任。 〇1999年:米国の=世界の二大メガバンク、デビッド・ロックフエラーのチエスマンハッタン銀行とJPモルガン銀行が合併、JPモルガン・チエスマンハッタン銀行となる。
この一連の年表から、何が読み取れるであろうか・・・金融緩和から株式バブルが発生し、ブラックマンデーで崩壊。この間、巨大銀行も相当の損失を出し、それを何で穴埋めしていたのだろうか? 1985年のプラザ合意時点でのNY金先物価格は$300程度。それが87年のブラックマンデーで株式崩壊時点では、$500台まで高くなっている。
当時チエスマンハッタン銀行のD・ロックフエラーは、世界の中央銀行から金を借りまくっていたと言う。株式評価損の穴埋めに借りた金売却によっていたとすれば、金価格は売っても逆に上昇しているのだから、借り賃支払いも相当の負担になる。借り賃は、金借りた時点での金価格をベースにされておらず、日々の先物価格で計算されるものであったと言うから、これはもう超高利貸しから金を借りた図になる。
そしてニホンザルさんも指摘されていたように、デル・バンコ一味は、金の代わりに紙幣での弁済は受け取らない、金現物で返済せねばならない。株式評価損の穴埋めに金を借りて売り、その返済の為に今度は金現物を買わねばならない、すると金は、デル・バンコによる価格引き上げ策と、ロックフエラーの買戻しという二重の価格上昇要因を持つ事になってしまった。
あの巨大銀行が合併せねばならない程になったのだから、その損失は国家でないと救済できない額となり、そして政府財務当局は、二大バンクの破綻を放置すると、金融恐慌が発生するとして、国家保有の金を両行に貸すことで、条件として合併を求めたものと思われる。その時の財務長官は、ルービンの子分・サマーズである。そして両行に、米独自のデリバテイブ市場での利益確保を求めたとも想像される。
だが皮肉にも、それから8年後に再びサブローン破綻で、両行は再び危機に遭遇したのだから、一体、何をやってる、ということになる。デル・バンコなどのバーゼルクラブは、それも見越して金先物価格の上昇を画策し始めていた。$400くらいに下げていた金先物は、その時点から$2,000台に約5倍も高騰している。BIS創立の時に参加しなかった米金融当局のFRBに対し、バーゼルクラブは溜飲を下げたかも知れない。
2012年、FRBは遂に超金融緩和QE発動に踏み切り、金価格は下げに転じたが逆に、株式バブルが発生し、そして今日、それがまた崩壊するかどうかの瀬戸際に至っている。パターンは過去と同じである。だが今回は、何が崩壊のインパクトになるのか、ドル基軸通貨の崩壊要素も併せ持っているから、金融の世界秩序をも変えてしまうかもしれない要因を含んでいるのが、過去になかった今回危機の特徴ではなかろうか。
ドル基軸通貨の脆弱化が、通貨体制の転換点の軸になりそうだ。このことがバーゼルクラブによる各中央銀行の金に対する姿勢の再検討をもたらすこともあり得よう。金と紙幣管理通貨制度との葛藤は、人類の通貨に対する葛藤でもあるか・・・。
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