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[1708] 憲法改正について(アメリカとドイツの憲法との比較)
日時: 2013/03/08 18:20:28
名前: 天橋立の愚痴人間 ID:1362734428

<憲法改正>96条論議が活発化 参院選後にらみ各党思惑
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130307-00000108-mai-pol

安倍晋三首相が掲げる憲法96条改正による改憲発議要件の緩和に向け、与野党の動きが活発化している。首相が会長を務める超党派の議員連盟「創生『日本』」が96条改正を視野に活動を再開し、民主、日本維新の会、みんなの3党有志も7日、勉強会の設立を決めた。改憲発議に必要な衆参両院の3分の2以上を確保する土台作りのほか、賛否両派が混在する民主党を分断する狙いもちらつく。参院選後の枠組みもにらみ、各党の思惑が入り乱れている。

(引用終わり)

馬鹿、クソ、邪宗信者、愚劣首相、安倍が憲法96条の改正を言い出した。
9条改正が目的であろうが、此処は今一度、我が国の憲法と言うものを俯瞰していただきたい。

日本国憲法全文は、次のサイトを見てください。
ttp://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html

これに対して、次に、アメリカ合衆国憲法とドイツ共和国憲法を紹介しますので、日本国憲法との違い、善し悪しを判断してください。

憲法改正論者には、アメリカが作ったから改正が必要と言うものがいますが、何処の誰が作ろうと立派なものは立派なものです。
悪く改正する必要ないと思います。

9条の文言については、慎重に検証することも必要でしょうが、アメリカが作った、云々は関係ありません。
我が国、国民としての判断が必要でしょう。
メンテ

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Re: 憲法改正について ( No.11 )
日時: 2013/03/09 15:03:05
名前: 天橋立の愚痴人間

(連邦の立法)

第70条 [連邦と諸ラントの間の立法権限の配分]

(1) 諸ラントは、この基本法が連邦に立法権限を与えていない限りで、立法権を有する。
(2) 連邦と諸ラントとの間の権限の境界画定は、この基本法が定める専属的および競合的立法に関する規定に従って、決定される。

第71条 [連邦の専属的立法]

連邦の専属的立法の分野では、諸ラントは、連邦法でその授権が明示されている場合に、かつその範囲内において立法権を有する。

第72条 [競合的立法]

(1) 競合的立法の分野では、諸ラントは、連邦が立法権を行使しなかった範囲かつその限りで、立法権を有する。
(2) 連邦は、この分野では、連邦領域内の均一な生活関係を創出するために、または国家全体の利益に関わる法的・経済的統一を保持するために、連邦法による規律が必要である場合、その限りで立法権を有する。

(3) 連邦法は、2項の意味での必要性が存在しないときには、連邦法に代えてラントの法律によって規律することができるということを規定することができる。

第73条 [連邦の専属的立法分野]

連邦は、次の事項について専属的立法権を有する。
1. 外務ならびに一般住民の保護を含む防衛
2. 連邦における国籍
3. 移転の自由、旅券制度、出入国および犯罪人引渡
4. 通貨、貨幣および造幣制度、度量衡ならびに日時制度の決定
5. 関税および通商区域の統一、通商および航行条約、貨物取引の自由ならびに関税および国境の警備を含む外国との貨物取引および支払取引
6. 航空交通
6a. すべてまたは過半の部分を連邦が所有する鉄道(連邦鉄道)の交通、連邦鉄道の線路の建設、維持および運営ならびに利用料金の徴収
7. 郵便および電気通信制度
8. 連邦および連邦直轄の公法人に勤務する者の法律関係
9. 産業上の権利保護、著作権および出版権
10. 次の事項に関する連邦と諸ラントの協力

a) 刑事警察
b) 自由で民主的な基本秩序、連邦またはラントの存立および安全の擁護(憲法擁護)
c) 暴力の行使またはそれを目的とする準備行為によってドイツ連邦共和国の対外的利益を危うくする連邦領域内の活動からの防護
ならびに連邦刑事警察機構の設立および国際犯罪の取締
11. 連邦のために利用する統計


第74条 [競合的立法分野]

(1) 競合的立法は、次の分野に及ぶ。
1. 民法、刑法および刑の執行、裁判所構成、裁判手続、弁護士制度、公証人制度ならびに法律相談
2. 戸籍制度
3. 結社および集会の権利
4. 外国人の滞在および居住の権利
4a. 武器および爆薬に関する法
5. (削除)
6. 亡命者および難民に関する事項
7. 公の扶助
8. (削除)
9. 戦争による損害および補償
10. 戦傷者および戦争遺族の援護ならびに元捕虜の扶助
10a. 戦死者の墓ならびにその他の戦争犠牲者および暴力支配の犠牲者の墓
11. 経済法(鉱業、工業、エネルギー産業、手工業、営業、商業、銀行および証券取引所制度、私法上の保険制度)
11a. 平和目的のための核エネルギーの生産および利用、平和目的に役立つ施設の設置および運営、核エネルギーの放出または電離放射線によって生じる危険の防止ならびに放射性物質の廃棄物処理
12. 経営参加規則、労働保護および職業紹介を含む労働法ならびに失業保険を含む社会保険
13. 奨学金の規律および科学研究の助成
14. 第73条および第74条の分野に関する公用収用法
15. 土地、天然資源、生産手段の公有化またはその他の形態の公共経済への移行
16. 経済的権力の濫用の防止
17. 農林業生産の振興、食糧の確保、農林業生産物の輸出入、遠洋漁業、沿岸漁業および沿岸保護
18. 土地取引、土地法(開発負担金徴収の権利を除く)、住宅制度ならびに土地開発および定住制度
19. 公共の危険かつ伝染性のある人畜の病気に対する措置、医師その他の医療職および医療活動の許可、ならびに薬剤、治療剤、麻酔剤および毒物の取引
19a. 病院の経済的保障および入院補助基準の規律
20. 食料品、嗜好品、生活必需品、飼料、および農林業の種苗の取引、植物の病虫害からの保護ならびに動物保護
21. 遠洋航海および沿岸航海、航路標識、内水航行、気象業務、海洋航路ならびに一般交通に供する内水航路
22. 道路交通、自動車交通制度、遠距離交通用幹線道路の建設および維持ならびに自動車の公道利用の料金の徴収および配分
23. 連邦鉄道以外の線路、ただし山岳鉄道は除く
24. ごみの除去、大気の清浄保持および騒音防止
25. 国家賠償
26. 人間の人工授精、遺伝子情報の研究、人工的な組み替えならびに臓器および組織の移植に関する規律
(2) 1項25号による法律は、連邦参議院の同意を必要とする。



第74a条 [公務員の給与および恩給]

(1) 競合的立法は、第73条8号によって連邦の専属的立法とされていない限りで、公法上の勤務関係および忠誠関係にある公務員の給与および恩給にも及ぶ。
(2) 1項による連邦法は、連邦参議院の同意を必要とする。

(3) 第73条8号の規定に基づく連邦法も、それが、職務の評価を含む給与および恩給の構成または査定について1項による連邦法と異なる基準または異なる最低額もしくは最高額を規定するときは、連邦参議院の同意を必要とする。

(4) 1項および2項の規定は、ラントの裁判官の給与および恩給に準用する。第98条1項による法律に対しては、3項を準用する。


第75条 [連邦の大綱的立法権]

(1) 連邦は第72条の条件のもとに、次の事項について大網的規定を制定する権利を有する。
1. 第74a条が別段の定めをしない限りで、ラント、市町村その他の公法上の団体の公務に従事する者の法律関係
1a. 大学制度の一般原則
2. 出版の一般的法律関係
3. 狩猟制度、自然保護および景観保存
4. 土地分配、国土計画および水の管理
5. 住民登録および身分証明の制度
6. ドイツの文化財の外国流出に対する保護

第72条3項は、準用する。
(2) 大網的規定は、例外的場合にのみ、細目に及ぶ規律または直接に適用される規律を含むことができる。

(3) 連邦が大綱的規定を制定したときは、諸ラントは、法律の定める適切な期間内に必要なラントの法律を制定する義務が生じる。

第76条 [法律案]

(1) 法律案は、連邦政府、連邦議会議員または連邦参議院により、連邦議会に提出される。
(2) 連邦政府提出の法律案は、まず連邦参議院に送付されなければならない。連邦・参議院は、6週間以内に、この法律案について態度を決定する権利を有する。連邦政府は、連邦参議院に送付するに際し、例外的にとくに急を要すると述べた法律案については、連邦参議院の態度決定が連邦政府に到達していなくとも、3週間を経過した後、連邦議会に送付することができる。連邦政府は、連邦政府の態度決定を、その到達後速やかに連邦議会に追加提出しなければならない。この基本法の改正もしくは、第23条または第24条による主権を移転する法案について、意見表明のための期間は9週間とし、この項の第4段は適用されない。

(3) 連邦参議院提出の法律案は、3ヵ月以内に、連邦政府によって連邦議会に送付されなければならない。連邦政府は、その際、自己の意見を述べなければならない。この基本法の改正もしくは、第23条または第24条による主権を移転する法案について、期間は9週間とし、この項の第4段は適用されない。連邦議会は、妥当する期間の法案については討論し議決しなければならない。

(続く)
メンテ
Re: 憲法改正について ( No.12 )
日時: 2013/03/09 15:14:40
名前: 天橋立の愚痴人間

第77条 [立法手続]

(1) 連邦法は、連邦議会によって議決される。連邦法は、それが可決された後速やかに、連邦議会議長によって連邦参議院に送付される。
(2) 連邦参議院は、法律議決を受け取った後3週間以内に、法律案の合同審議のために、連邦議会および連邦参議院の構成員で組織される委員会の招集を要求することができる。この一委員会の構成および手続は、連邦議会が議決し、かつ連邦参議院の同意を必要とする議事規則で定める。この委員会に派遣される連邦参議院の構成員は、命令に拘束されない。法律が連邦参議院の同意を必要とするときは、連邦議会または連邦政府も、招集を要求することができる。委員会が、法律議決の修正を提案したときは、連邦議会は、改めて議決を行わなければならない。

(2a) 法律が連邦参議院の同意を必要とする場合で、連邦参議院が2項1段の要求を行わないとき、または調整手続が法律議決の修正を提案することなく終了したときには、連邦参議院は、適当な期間内に同意についての議決を行わなければならない。

(3) 法律が連邦参議院の同意を必要としないときは、連邦参議院は、2項による手続が終了した後、連邦議会が議決した法律に対して、2週間以内に異議を提出することができる。異議の提出期間は、2項末段の場合には、連邦議会の再議決を受け取った時から始まり、その他の場合は、2項に定める委員会の議長による委員会手続終了の通知を受け取った時から始まる。

(4) 異議が連邦参議院の表決数の過半数をもって議決されたときは、連邦議会議員の過半数の議決によって、これを却下することができる。連邦参議院が表決数の3分の2以上の多数で異議を議決したときは、連邦議会による却下は、議員の過半数、かつ表決数の3分の2以上の多数を必要とする。


第78条 [連邦法の成立]

連邦議会が議決した法律は、連邦参議院が同意したとき、第77条2項による提案をしなかったとき、第77条3項の期間内に異議を提出せず、もしくは異議を撤回したとき、または、異議が連邦議会によって否決されたときに、成立する。

第79条 [基本法の改正]

(1) 基本法は、基本法の文言を明文で改正または補充する法律によってのみ改正することができる。講和の規律、講和の規律の準備もしくは占領法秩序の解除を対象とする国際条約、または連邦共和国の防衛に役立つことが確実な国際条約の場合には、基本法の規定が条約の締結および発効に反しないことを明らかにするには、そのことを明らかにするだけの基本法の文言の補充で足りる。
(2) このような法律は、連邦議会議員の3分の2および連邦参議院の表決数の3分の2の賛成を必要とする。

(3) 連邦制によるラントの編成、立法における諸ラントの原則的協力、または第1条および第20条に定められている諸原則に抵触するような、この基本法の改正は、許されない。

第80条 [法規命令の制定]

(1) 連邦政府、連邦大臣または連邦政府に対して、法律によって、法規命令を制定する権限を与えることができる。その場合、授権の内容、目的および限度は、法律において規定されなければならない。法的根拠が法規命令において塞丁示されなければならない。法律において、再授権することができると規定されている場合、再授権のためには法規命令が必要である。
(2) 郵便および電気通信の施設の利用に関する原則および料金に関する連邦政府または連邦大臣の法規命令、連邦鉄道の施設の利用料金の徴収、鉄道の建設および営業に関する法規命令ならびに、連邦参議院の同意を必要とする連邦法、または、連邦の委任により、もしくはラント固有の事務として諸ラントによって執行される連邦法に基づく法規命令は、連邦法に別段の定めがある場合を除き、連邦参議院の同意を必要とする。

(3) 連邦参議院は、連邦政府に対して、連邦参議院の同意を必要とする法規命令の制定についての提案を通知することができる。

(4) 連邦法により、または連邦法の根拠に基づいて、ラント政府に法規命令を制定することが授権されている場合には、諸ラントは、法律によっても規律を定める権限を有する。


第80a条 [緊急事態における法令の適用]

(1) この基本法において、または一般住民の保護を含む防衛に関する法律において、本条の基準にしたがってのみ法令を適用することができると規定されているときは、その適用は、防衛事態の場合を除いては、連邦議会が緊迫事態の発生を確認した場合、または、連邦議会がその適用に特別の同意を与えた場合にのみ、許される。緊迫事態の確認および第12a条5項1段および6項2段の場合における特別の同意に関しては、表決数の3分の2の多数を必要とする。
(2) 1項による法令に基づく措置は、連邦議会の要求があれば、廃止しなければならない。

(3) 1項の規定にかかわらず、このような法令の適用は、同盟条約の範囲内で国際機関が連邦政府の同意を得て行った決議に基づいて、かつこれを基準として行うことも許される。本項の措置は、連邦議会が議員の過半数をもってその廃止を要求したときは、廃止しなければならない。

第81条 [立法緊急事態]

(1) 第68条の場合において連邦議会が解散されないとき、連邦政府がある法律案が緊急を要すると表明したにもかかわらず、連邦議会がこれを否決したときは、連邦大統領は、連邦政府の申立てにより、連邦参議院の同意を得て、この法律案について立法緊急事態を宣告することができる。連邦首相がある法律案を第68条の動議と結合したにもかかわらず、これが拒否された場合も同様とする。
(2) 連邦議会が、立法緊急事態の宣告後に再び法律案を否決しても、または、連邦議会が、連邦政府が受け入れられないと表明した案文でこれを採択しても、連邦参議院の同意がある限り、その法律は成立したものと見なされる。連邦議会が、法律案の再提出後4週間以内に可決しなかったときも、同様とする。

(3) 連邦首相の任期中においては、立法緊急事態の第一回の宣告後6カ月の期間内は、連邦議会によって否決された他の法律案も、すべて、1項および2項にしたがって成立させることができる。期間の経過後は、同一連邦首相の任期中に立法緊急事態の再宣告は許されない。

(4) 基本法は、2項によって成立した法律によって改正し、全部もしくは一部の効力失わせ、または適用を停止してはならない。

第82条 [法令の認証、公布、施行]

(1) この基本法の規定に従って成立した法律は、副署の後、連邦大統領が認証し、連邦法官報で公布する。法規命令は、それを制定した官署によって認証され、かつ、法律に別段の定めがない限り、連邦法官報で公布される。
(2) すべての法律およびすべての法規命令は、施行の日を定めるべきである。その定めがないときは、連邦法官報が発行された日の翌日から起算して、14日目に、その効力を生ずる。


(連邦法の執行および連邦行政)

第83条 [連邦と諸ラント間の権限配分]

諸ラントは、この基本法が別段のことを定め、または認めない限り、その固有の事務として、連邦法を執行する。


第84条 [諸ラントの固有事務としての執行、連邦監督]

(1) 諸ラントが連邦法を固有事務として執行するときは、諸ラントは、連邦法が連邦参議院の同意を得て別段のことを定めない限り、官庁の組織および行政手続を規律する。
(2) 連邦政府は、連邦参議院の同意を得て、一般的訓令を制定することができる。

(3) 連邦政府は、諸ラントが連邦法を現行法に従って執行するように、監督を行う。連邦政府は、この目的のために、受託者をラントの最高官庁に派遣することができ、また、ラントの最高官庁の同意を得て、その同意が得られない場合は、連邦参議院の同意を得て、ラントの下級官庁にも派遣することができる。

(4) 連邦政府が諸ラントにおける連邦法の執行に関して確認した瑕疵が除去されないときは、連邦参議院は、連邦政府またはラントの申立てに基づいて、ラントが法に違反したかどうかを決定する。連邦参議院の決定に対しては、連邦憲法裁判所に出訴することができる。

(5) 連邦政府は、連邦参議院の同意を必要とする連邦法により、連邦法の執行のため、個々の場合において個別の指示を与える権限を付与されることができる。指示は、連邦政府が急を要する事件であると認めた場合を除いて、ラントの最高官庁に対して与えなければならない。

第85条 [連邦の委任による執行]

(1) 諸ラントが連邦の委任により連邦法を執行する場合は、連邦法が連邦参議院の同意を得て別段の定めをしない限り、官庁の組織は、諸ラントの事務とする。
(2) 連邦政府は、連邦参議院の同意を得て、一般的訓令を制定することができる。連邦政府は、官吏および事務職員の統一的養成について規律することができる。中級官庁の長は、連邦政府の了解を得て任命しなければならない。

(3) ラントの官庁は、所管の連邦最高官庁の指示に従う。指示は、連邦政府が急を要すると認めた場合を除き、ラントの最高官庁に対して行わなければならない。指示の執行は、ラントの最高官庁によって確保されなければならない。

(4) 連邦監督は、執行の合法性および合目的性に及ぶ。連邦政府は、この目的のために、報告および記録の提出を求め、ならびに受託者をすべての官庁に派遣することができる。


第86条 [連邦固有の行政]

連邦が、連邦固有の行政権、連邦直轄の団体または公法上の営造物によって法律を執行する場合は、連邦政府は、法律に特段の定めがない限り、一般的訓令を制定する。連邦政府は、法律に別段の定めがない限り、官庁の組織を規律する。

(続く)
メンテ
Re: 憲法改正について ( No.13 )
日時: 2013/03/09 15:17:19
名前: 天橋立の愚痴人間

第87条 [連邦固有の行政の対象]

(1) 外交事務、連邦財政ならびに第89条による連邦水路および航行行政は、連邦固有の行政として、固有の行政下部機構によって行われる。連邦法により、連邦国境警備官庁、警察情報の収集伝達のための中央機関、刑事警察のための中央機関ならびに、憲法擁護および、暴力の行使またはそれを目的とする準備行為によってドイツ連邦共和国の対外利益を危うくしようとする、連邦領域での活動の防止のための基礎資料を収集するための中央機関を設置することができる。
(2) 管轄区域が一つのラントの領域を超える社会保険の保険者は、連邦直轄の公法上の団体とする。管轄区域が一つのラントの領域を超えるが、しかし、三つのラントを超えない社会保険の保険者については、 1段の規定にかかわらず、監督ラントが関係ラントによって指名される限り、ラント直轄の公法上の団体とする。

(3) その他、連邦が立法権を有する事項については、連邦法によって、独立の連邦最高官庁、連邦直轄の新たな団体および公法上の営造物を設置することができる。連邦が立法権を有する分野で、新たな課題が生じた場合、緊急の必要があるときは、連邦参議院および連邦議会議員の過半数の同意を得て、連邦固有の中級および下級官庁を設置することができる。




第87a条 [軍隊の設置と権限]

(1) 連邦は、防衛のために軍隊を設置する。軍隊の員数および組織の大綱は、予算によって明らかにしなければならない。
(2) 軍隊は、防衛を除いては、この基本法が明文で認めている場合に限って出動することができる。

(3) 軍隊は、防衛事態および緊迫事態において、防衛の任務を遂行するために必要な限度で、非軍事的物件を保護し、かつ交通規制の任務を遂行する権限を有する。その他、軍隊に対して、防衛事態および緊迫事態において、警察的措置の支援のために、非軍事的物件の保護を委任することができる。この場合、軍隊は、所管の官庁と協力する。

(4) 連邦およびラントの存立または自由で民主的な基本秩序の防衛のために、連邦政府は、第91条2項の条件が存在し、かつ、警察力および連邦国境警備隊では不足するときは、警察および国境警備隊が非軍事的物件を保護し、組織化され武装した反徒を鎮圧をするのを支援するために、軍隊を出動させることができる。軍隊の出動は、連邦議会または連邦参議院の要求があれば中止しなければならない。

第87b条 [連邦軍行政]

(1) 連邦軍行政は、固有の行政下部機構をもつ連邦固有の行政として行われる。連邦軍行政は、軍隊の人員部門の仕事および物的需要の直接的充足を任務とする。傷害者扶助および土木建築部門の任務を連邦軍行政に行わせるには、連邦参議院の同意を必要とする連邦法による授権がなければならない。その他、法律が連邦軍行政に対して第三者の権利の侵害を授権するときにも、連邦参議院の同意が必要である。ただし、これは、人員部門の分野の法律には適用しない。
(2) その他、軍務代役制度および一般住民の保護を含む防衛のための連邦法は、連邦参議院の同意を得て、法律の全部または一部が固有の行政下部機構を有する連邦固有の行政として執行され、または、諸ラントが連邦の委任によって執行することができる旨を規定することができる。このような法律が、連邦の委任に基づいて諸ラントによって執行されるときは、その連邦法は、連邦参議院の同意を得て、第85条に基づいて連邦政府および連邦最高官庁に属する権限の全部または一部を連邦上級官庁に委任する旨を規定することができる。その場合、連邦上級官庁は、第85条2項1段による一般的訓令の制定について連邦参議院の同意を必要としない旨を定めることができる。

第87c条 [核エネルギーの分野における委任行政]

第74条11a号に基づいて制定される法律は、連邦参議院の同意を得て、連邦の委任により、諸ラントがこれを執行する旨を定めることができる。

第87d条 [航空行政]

(1) 航空行政は、連邦固有の行政として行われる。
(2) 航空行政の任務は、連邦参議院の同意を必要とする連邦法によって、委任行政として諸ラントに委任することができる。

第87e条 [鉄道行政]

(1) 連邦鉄道のための鉄道行政は、連邦固有の行政として行われる。鉄道行政の任務は、連邦法により、固有の事務として諸ラントに委譲することができる。
(2) 連邦は、連邦法によって委任された、連邦鉄道の範囲を超える鉄道行政の任務を遂行する。

(3) 連邦鉄道は、私法形式の企業として運営される。その企業の活動が、線路の敷設、維持、営業を含むものである限り、連邦鉄道は、連邦が所有するものとする。2段に規定する企業への連邦の株式の譲渡は、法律の根拠に基づいて行われるが、この企業の株式の過半数は、連邦に留保される。詳細は、連邦法で定める。

(4) 連邦は、連邦鉄道の線路網の構築および維持、ならびにこの線路網での輸送の提供に関して、近距離旅客輸送は別として、公共の福祉、とりわけ輸送需要が考慮されるように保障する。

(5) 1項から4項までの規定に基づく法律は、連邦参議院の同意を必要とする。さらに、連邦鉄道の企業の解散、合併、分割、連邦鉄道の線路の第三者への譲渡ならびに連邦鉄道の線路の廃止を規律する法律または族客輸送に影響を及ぼす法律は、連邦参議院の同意を必要とする。

第87f条 [郵便および電気通信制度]

(1) 連邦は、連邦参議院の同意を必要とする連邦法に従って、郵便および電気通信制度の分野において、すべての地域に適切かつ十分なサービスを保障する。
(2) 1項の意味でのサービスは、特別財産たるドイツ連邦郵便をもとに作られる企業、およびその他の私的提供者による私的経済活動として行われる。郵便および電気通信制度の分野における主権的任務は、連邦固有の行政において遂行される。

(3) 連邦は、2項2段の規定にもかかわらず、特別財産たるドイツ連邦郵便をもとに作られる企業に関するいくつかの任務を、連邦直轄の公法上の営造物の法形式において、連邦法の基準に従って遂行する。


第88条 [連邦銀行]

連邦は、連邦銀行として、通貨維持・発券銀行を設置する。その任務および権能は、ヨーロッパ連合の枠組の中の、独立して、主要な目的を物価安定の保証と義務づけられた、ヨーロッパ中央銀行に移転することができる。

第89条 [連邦水路]

(1) 連邦は、旧ライヒ水路を所有する。
(2) 連邦は、固有の官庁によって、連邦水路を管理する。連邦は、一つのラントの領域を超える内水航行の国家的任務および法律によって授権された海洋航行の任務を行う。連邦は、一つのラントの領域内の連邦水路行政を、申請に基づいて、委任行政として、当該ラントに委任することができる。水路が二つ以上のラントの領域に及ぶときは、連邦は、関係ラントが申請したラントに委任することができる。

(3) 水路管理、補修および新設に関しては、諸ラントと協力して、耕作および水利の需要に応えなければならない。

第90条 [連邦道路および連邦自動車道]

(1) 連邦は、旧ライヒ国有自動車道および旧ライヒ国有道路を所有する。
(2) 諸ラントまたはラントの法律によって権限を有する自治体は、連邦の委任に基づいて、連邦自動車道その他の遠距離交通用の連邦道路を管理する。

(3) 連邦は、一つのラントの領域内にある連邦自動車道その他の遠距離交通用の連邦道路の管理を、当該ラントの申請により、連邦固有の行政として引き受けることができる。

第91条 [内部的緊急事態]

(1) 連邦およびラントの存立または自由で民主的な基本秩序に対する差し迫った危険を防止するために、ラントは、他諸ラントの警察力ならびに他の行政機関および連邦国境警備隊の力と施設を要請することができる。
(2) 危険が急迫しているラントが自ら危険に対処する用意がなく、または対処できないときは、連邦政府は、当該ラントの警察および他諸ラントの警察を指揮し、ならびに連邦国境警備隊の部隊を出動させることができる。この命令は、危険の除去後に、または、そうでなくても連邦参議院の要求があるときはいつでも、解除しなければならない。危険が二つ以上のラントの領域に及ぶときは、連邦政府は、有効な対処のために必要な限度で、ラント政府に指示を与えることができる。この場合、1段および2段は、影響を受けない。

(続く)
メンテ
Re: 憲法改正について ( No.14 )
日時: 2013/03/09 15:26:35
名前: 天橋立の愚痴人間

(共同の任務)

第91a条 [連邦法に基づく連邦の協力]

(1) 連邦は、以下の分野において、諸ラントの任務が全体にとって重要な意味をもち、かつ、連邦の協力が生活関係の改善のために必要なときは、諸ラントの任務の遂行に協力する(共同の任務)。
大学付属病院を含む大学の拡充および新設
地域的経済構造の改善
農業構造および沿岸保護の改善
(2) 共同の任務の詳細は、連邦法が連邦参議院の同意を得て定める。その法律には、任務遂行のための一般原則が規定されなければならない。
(3) その法律は、共同の大綱計画の手続および組織について規律する。大綱計画にある企画を採用するためには、実施される地域のラントの同意が必要である。

(4) 連邦は、1項1号および2号の場合には、各ラントにおける支出の半額を負担する。1項3号の場合には、連邦は、少なくともその半額を負担するが、その際、分担の割合は、すべてのラントに対して均一に定めなければならない。詳細は、法律で定める。資金の提供は、連邦およびラントの予算における確定にまつものとする。

(5) 連邦政府および連邦参議院は、共同の任務の実施について、要求に基づいて、情報を得る権利を有する。


第91b条 [協定に基づく連邦と諸ラントの協力]

連邦および諸ラントは、協定に基づいて、教育計画について、ならびに超地域的意義を有する科学研究の施設および企画の促進について協力することができる。費用の分担は、協定で定める。



(司法)

第92条 [裁判所の組織]

司法権は、裁判官に委ねられる。司法権は、連邦憲法裁判所、この基本法に定める連邦裁判所および諸ラントの裁判所によって行使される。

第93条 [連邦憲法裁判所の権限]

(1) 連邦憲法裁判所は、次の事項について裁判する。
1. 連邦最高機関、またはこの基本法もしくは連邦最高機関の規則によって固有の権利を認められたその他の関係機関の権利および義務の範囲に関する争訟を契機とするこの基本法の解釈。
2. 連邦法もしくはラントの法律がこの基本法に形式的および実質的に適合するかどうか、または、ラントの法律がその他の連邦法と適合するかどうかについての意見の相違または疑義で、連邦政府、ラント政府または、連邦議会議員の3分の1の提起によるもの。

2a. 法律が第72条2項の条件に適合しているかどうかについての意見の相違で、連邦参議院、ラント政府またはラント議会の提起によるもの。

3. 連邦および諸ラントの権利義務、とくに諸ラントによる連邦法の執行および連邦監督の遂行の場合の権利義務に関する意見の相違。
4. 他に出訴手段が存在しないときの、連邦と諸ラントとの間、ラントとラントとの間、または一つのラント内部におけるその他の公法上の争訟。

4a. 何人も、公権力によって自己の基本権または第20条4項、第33条、第38条、第101条、第103条および第104条に含まれる自己の権利を侵害されたとの主張によって提起することができる憲法訴願。

4b. 法律による第28条の自治権侵害を理由とする、市町村および市町村連合の憲法訴願。ただし、ラントの法律に関しては、そのラントの憲法裁判所に訴願を提起することができない場合に限る。

5. この基本法に規定するその他の場合。

(2) 連邦憲法裁判所は、その他、連邦法によって権限を与えられた場合に活動する。


第94条 [連邦憲法裁判所の構成]

(1) 連邦憲法裁判所は、連邦裁判官およびその他の構成員をもって組織する。連邦憲法裁判所の構成員は、連邦議会および連邦参議院によって、それぞれ半数ずつ選挙される。これらの構成員は、連邦議会、連邦参議院、連邦政府またはこれらに相当するラントの機関に所属してはならない。
(2) 連邦法は、連邦憲法裁判所の構成および手続を規律し、ならびに、いかなる場合にその裁判が法律的効力を有するかを規定する。連邦法は、憲法訴願については、事前に出訴手段を尽くすことを条件とし、かつ、特別の受理手続を規定することができる。


第95条 [連邦の最高裁判所、合同部]

(1) 連邦は、通常裁判権、行政裁判権、財政裁判権、労働裁判権および社会裁判権の分野において、最高裁判所として、連邦通常裁判所、連邦行政裁判所、連邦財政裁判所、連邦労働裁判所、および連邦社会裁判所を設置する。
(2) これらの裁判所の裁判官の任命については、各分野を所管する連邦大臣が、諸ラントの所管大臣および連邦議会で選出されるそれと同数の議員で構成される裁判官選出委員会と共同して決定する。

(3) 司法の統一を維持するために、1項に掲げた裁判所の合同部が設置される。詳細は、連邦法で定める。


第96条 [その他の連邦裁判所、諸ラントの裁判所による連邦裁判権の行使]

(1) 連邦は、産業上の権利保護に関する事項について権限を有する連邦裁判所を設置することができる。
(2) 連邦は、軍隊に関する軍刑事裁判所を連邦裁判所として設置することができる。軍刑事裁判所は、防衛事態において、または、外国に派遣された、もしくは軍艦に乗船している軍隊の所属員に対してのみ刑事裁判権を行使することができる。詳細は、連邦法で定める。これらの裁判所は、連邦司法大臣の所管に属する。その専任の裁判官は、裁判官資格を有しなければならない。

(3) 1項および2項に掲げた裁判所に関する最高の裁判所は、連邦通常裁判所とする。

(4) 連邦は、公法上の勤務関係に服する者に対して、徴戒手続および不服申立て手続において裁判するための連邦裁判所を設置することができる。

(5) 第26条1項および国家の擁護の分野における刑事手続について、連邦法は、連邦参議院の同意を得て、諸ラントの裁判所が連邦の裁判権を行使することを定めることができる。

第97条 [裁判官の独立]

(1) 裁判官は独立であって、法律にのみ従う。
(2) 専任としてかつ定員において最終的身分として任命された裁判官は、裁判官による裁判によらなければ、かつ法律の定める理由および形式によらなければ、その意に反して、任期満了前に罷免し、長期もしくは一時的に停職し、または転任もしくは退職させることができない。立法により、終身をもって任命されている裁判官を退職させる定年を定めることができる。裁判所の組織またはその管轄区域の変更の場合は、裁判官を他の裁判所に転所させ、または退職させることができるが、その際、俸給の全額を支給しなければならない。

第98条 [連邦および諸ラントにおける裁判官の法的地位]

(1) 連邦裁判官の法的地位は、特別の連邦法によって規律する。
(2) 連邦裁判官が、その職務の内外において、基本法の原則またはラントの憲法的秩序に違反したときは、連邦憲法裁判所は、連邦議会の提起に基づき、3分の2の多数をもって、裁判官の転任または退職を命じることができる。故意の違反の場合には罷免を宣告することができる。

(3) 諸ラントにおける裁判官の法的地位は、特別のラントの法律で規律する。連邦は、第74a条4項が別段の定めをしている場合を除き、大綱的規定を制定することができる。

(4) 諸ラントは、諸ラントの裁判官の任命について、そのラント司法大臣が裁判官選出委員会と共同して決定することを規定することができる。

(5) 諸ラントは、ラントの裁判官に対して、2項に相当する定めをおくことができる。ただし、現行のラント憲法は、影響を受けない。裁判官の訴追に関する弾劾裁判は、連邦憲法裁判所の権限とする。


第99条 [連邦憲法裁判所および連邦の最高裁判所によるラント法上の争訟の裁判]

ラントの法律は、ラント内部の憲法争訟の裁判について連邦憲法裁判所の権限とし、また、ラントの法律の適用が問題となる事件の裁判の終審としての権限を、第95条1項に掲げた最高裁判所に与えることができる。


第100条 [具体的規範統制]

(1) 裁判所が、裁判において、その効力が問題となる法律が違憲であると考えるときは、手続を中止し、ラント憲法違反に関しては、ラントの憲法争訟についての権限を有する裁判所の裁判を求め、この基本法違反に関しては、連邦憲法裁判所の裁判を求めなければならない。ラントの法律によるこの基本法に対する違反およびラントの法律の連邦法との不一致が問題となるときも、同様とする。
(2) 法律上の争訟において、国際法の規則が連邦法の構成部分であるかどうか、ならびにそれが個人に対して直接権利および義務を生じさせる(第25条)かどうかについて疑義があるときは、裁判所は、連邦憲法裁判所の裁判を求めなければならない。

(3) ラントの憲法裁判所が、基本法の解釈について、連邦憲法裁判所または他のラントの憲法裁判所の裁判と異なる裁判をしようとするときは、当該憲法裁判所は、連邦憲法裁判所の裁判を求めなければならない。

第101条 [例外裁判所の禁止]

(1) 例外裁判所は、認められない。何人も、法律の定める裁判官の裁判を受ける権利を奪われない。
(2) 特別の専門分野に関する裁判所は、法律によってのみ設置することができる。

第102条 [死刑の廃止]

死刑は、廃止する。

第103条 [法的審問、刑法の遡及および二重処罰の禁止]

(1) 何人も、裁判所において、法的審問を請求する権利を有する。
(2) いかなる行為も、行為が行われる前に、法律で処罰できると規定されているのでなければ、処罰することができない。

(3) 何人も、同一の行為について、一般刑法の根拠に基づいて、重ねて処罰されることはない。

第104条 [自由剥奪における法的保障]

(1) 人身の自由は、正規の法律の根拠に基づき、かつそこで規定された形式によってのみ、制限することができる。拘禁された者は、精神的にも肉体的にも、虐待されてはならない。
(2) 自由剥奪の許否および継続については、裁判官のみが決定するものとする。裁判官の命令に基づかない自由剥奪は、すべて遅滞なく裁判官の決定を求めなければならない。警察は、その固有の権限に基づいては、何人をも、逮捕の翌日の終わりまでより長く自己のところに留置することはできない。詳細は、法律で定める。

(3) 何人も、犯罪行為の嫌疑のために、一時逮捕された者は、遅くとも逮捕の翌日に裁判官のもとに引致されなければならず、裁判官は、この者に逮捕の理由を告げ、事情を聴取し、かつ異議申立ての機会を与えなければならない。裁判官は、遅滞なく、理由を付した書面による勾留命令を発するか、または釈放を命じるかしなければならない。

(4) 自由剥奪の命令または継続についての裁判官の決定はすべて、遅滞なく、被拘禁者の親族または被拘禁者の信頼している者に知らせなければならない。


(続く)
メンテ
Re: 憲法改正について(アメリカとドイツの憲法との比較) ( No.15 )
日時: 2013/03/10 16:24:46
名前: 天橋立の愚痴人間

(財政)


第104a条 [連邦および諸ラントの支出負担、財政援助]

(1) 連邦および諸ラントは、この基本法に別段の定めがない限り、その任務の遂行から生ずる支出を各別に負担する。
(2) 諸ラントが連邦の委任を受けて行動するときは、連邦はそれによって生ずる支出を負担する。

(3) 金銭給付をともない、かつ諸ラントによって執行される連邦法は、金銭給付の全部または一部を連邦が負担することを定めることができる。連邦が支出の半額またはそれ以上を負担することを法律が定めるときは、法律は連邦の委任を受けて執行される。諸ラントが支出の4分の1以上を負担することを法律が定めるときは、法律は連邦参議院の同意を必要とする。

(4) 連邦は、経済全体の均衡の撹乱を防止するため、連邦領域内における経済力の格差を調整するため、または経済成長を促進するために必要な、諸ラントおよび市町村(市町村連合)のとくに重要な投資に対し、諸ラントに財政援助を与えることができる。詳細、とくに促進すべき投資の種類は、連邦参議院の同意を必要とする連邦法によって、または連邦予算法律に基づき、行政上の取り決めを行うことによって、定める。

(5) 連邦および諸ラントは、それぞれの官庁において生ずる行政支出を負担し、および相互の関係において、秩序のある行政について責任を負う。詳細は、連邦参議院の同意を必要とする連邦法で、定める。


第105条 [租税に関する立法権限]

(1) 連邦は、関税および財政専売に関する専属立法権を有する。
(2) 連邦は、その他の租税の収入の全部または一部が連邦に帰属する場合、または第72条2項の要件が存在する場合には、これらの租税について、競合的立法権を有する。

(2a) 諸ラントは、連邦法で定められた租税と同種のものではない限りにおいて、地域的消費税および地域的奢侈税に関する立法権を有する。

(3) 全部または一部が諸ラントまたは市町村(市町村連合)の収入となる租税に関する連邦法は、連邦参議院の同意を必要とする。


第106条 [租税収入の配分]

(1) 財政専売の収益および次に揚げる租税の収入は、連邦に帰属する。
関税
2項によりラントに帰属し、3項により連邦およびラントに共同に帰属し、ならびに6項により市町村に帰属するものを除く消費税
道路貨物運輸税
資本取引税、保険税および手形税
一回限りの財政税および負担調整実施のために徴収される調整税
所得税付加税および法人税付加税
ヨーロッパ共同体による課税
(2) 次に揚げる租税の収入は、ラントに帰属する。
財産税
相続税
自動車税
1項により連邦に帰属し、ならびに3項により連邦およびラントに共同に帰属するものを除く取引税
ビール税
賭博場の課税
(3) 所得税、法人税および売上税は,所得税の収入が第5項によって、および,売上税の収入が第5a項によって、市町村に配分されない限度において、連邦とラントに共同に帰属する(共同租税)。連邦およびラントは、所得税および法人税の収入を、それぞれ半分ずつ取得する。売上税に対する連邦およびラントの取得分は、連邦参議院の同意を必要とする連邦法で確定する。確定に際しては、次に掲げる諸原則を踏まえなけれはならない。
経常収入の範囲内で、連邦およびラントはその必要支出の補填を求める同等の請求権を有する。その際、支出の範囲は多年にわたる財政計画を考慮しつつ認定しなければならない。
連邦およびラントの支出補填の要求は、公正な均衡が得られ、納税義務者の過重な負担が避けられ、かつ、連邦領域における生活関係の統一性が保持されるよう、相互に調整しなければならない。
但し、1996年1月1日以降、連邦とラントの売上税の配分につき、ラントの所得税収入は児童手当のため減額される。詳細は3段により連邦法で定める。
(4) 売上税に対する連邦およびラントの取得分は、連邦およびラントの収支関係がいちじるしく変動したときは、改めて確定しなければならない。連邦法によってラントに対し付加的支出が課され、またはラントから収入が取り上げられる場合には、短期間に限定されているときの超過負担は、連邦参議院の同意を必要とする連邦法により、連邦の財政交付金をもって調整することもできる。この法律は、この財政交付金の算定およびそのラントへの配分に関する原則を定めるものとする。

(5) 市町村は、所得税収入につき、その市町村住民の所得税納付の基礎資料に基づいてラントが市町村に分与すべき分を取得する。詳細は、連邦参議院の同意を必要とする連邦法で定める。その連邦法では、市町村が市町村の取得分に対する税率を定める旨を規定することができる。

(5a) 市町村は、1988年1月1日以降は売上税の収入の取り分を取得する。この取得分は、場所および経済に関連する基準の基礎資料に基づいて、諸ラントからその市町村にさらに送付される。詳細は,連邦参議院の同意を必要とする連邦法でこれを定める。

(6) 土地税および営業税の収入は,市町村に帰属し、地域的消費税・奢侈税は、市町村に、またはラントの立法の基準に従って市町村連合に帰属する。市町村は、法律の範囲内において土地税および営業税の税率を確定する権利が与えられるものとする。ラント内に市町村が存在しないときは、土地税および営業税ならびに地域的消費税・奢侈税の収入はラントに帰属する。連邦およびラントは、割当により、営業税の収入にあずかることができる。割当に関する詳細は、連邦参議院の同意を必要とする連邦法でこれを定める。ラントの立法の基準に従って、土地税および営業税ならびに所得税および売上税の収入に対する市町村の取得分を、割当に関する算定の基礎資料とすることができる。

(7) 共同租税の全収入に対するラントの取得分のうち、市町村および市町村連合に対し、全体で、ラントの立法によって定められる百分率が与えられる。その他、ラントの立法は、ラントの租税の収入が市町村(市町村連合)の収入となるかどうか、またどの程度その収入となるかについて定める。

(8) 連邦が、個々のラントまたは市町村(市町村連合)において、これらのラントまたは市町村(市町村連合)に支出増または収入減(特別負担)の直接の原因となるような特別の設備を誘致するときは、連邦は、ラントまたは市町村(市町村連合)にその特別負担をかけることを要求できないとき、その限度において、必要な調整を行う。その設備の結果としてこれらのラントまたは市町村(市町村連合)に生ずる第三者の補償給付および財政的利益は、調整に際して考慮される。

(9) 市町村(市町村連合)の収入および支出も、本条の意味におけるラントの収入および支出とみなされる。


第106a条 [旅客輸送における財政調整]

公共旅客輸送に関して、連邦の税収の一部は、1996年1月1日以降、ラントに帰属する。詳細は、連邦参議院の同意を必要とする連邦法で定める。1段による税収は、第107条2項による財政力の評価に際しては考慮しない。

第107条 [財政調整]

(1) ラントの租税の収入ならびに所得税および法人税の収入に対するラントの取得分は、租税が税務官庁によってラントの領域内で徴収される限度で、各ラントに帰属する(地域的収入)。連邦参議院の同意を必要とする連邦法によって、法人税および賃金税につき、地域的収入の限度ならびに配分の方法および範囲に関する細則を定める。この法律は、その他の租税の地域的収入の限度および配分についても規定することができる。売上税の収入に対するラントの取得分は、各ラントの人口数に応じて配分されるが、ラントの取得分の一部を、4分の1を最高限度として、ラント税の収入ならびに所得税および法人税の収入の住民1人当たりの額が平均を下回るラントに対して、補充取得分として補填することを、連邦参議院の同意を必要とする連邦法によって規定することができる。
(2) 法律は、ラントの財政力の格差が適正に調整されるよう確保しなけれはならず、その際、市町村(市町村連合)の財政力および財政需要を考慮しなければならない。格差の是正を求める権利を有するラントの格差是正請求権およびこれに応じる義務を有するラントの格差是正義務の成立要件ならびに調整給付額の基準は、法律で定めなけれぱならない。連邦が、その資金から、給付能力の弱いラントに対し、その一般的財政需要を補充するための交付金(補充交付金)を与えることも法律で定めることができる。


第108条 [財務行政]

(1) 関税、財政専売、連邦法で規定された輸入売上税を含む消費税およびヨーロッパ共同体による課税は、連邦税務官庁によって管理される。連邦税務官庁の組織は、連邦法で定める。中級官庁の長は、ラント政府と協議して任命する。
(2) その他の租税は、ラント税務官庁によって管理される。ラント税務官庁の組織およぴ官吏の統一的養成は、連邦参議院の同意を必要とする連邦法によって、規律することができる。中級官庁の長は、連邦政府と協議して任命する。

(3) ラント税務官庁が、全部または一部が連邦の収入となる租税を管理するときは、ラント税務官庁は、連邦の委任によって活動する。第85条3項およぴ4項は、連邦政府を連邦財政大臣と読み替えて、これを適用する。

(4) 租税法の執行がいちじるしく改善または簡易化される場合には、連邦参議院の同意を必要とする連邦法により、租税を連邦税務官庁とラント税務官庁が共同で管理すること、ならびに1項に定める租税をラント税務官庁が管理すること、およびその他の租税を連邦税務官庁が管理することを規定することができる。市町村(市町村連合)のみの収入となる租税について、ラントは、ラント税務官庁に属する管理の全部または一部を市町村(市町村連合)に委任することができる。

(5) 連邦税務官庁によって適用される手続は、連邦法で定める。ラント税務官庁によって適用される手続および4項2段の場合の市町村(市町村連合)によって適用される手続は、連邦参議院の同意を必要とする連邦法で定めることができる。

(6) 財政裁判権は、連邦法によって統一的に定める。

(7) 連邦政府は、一般的訓令を制定することができる。ただし、ラント税務官庁または市町村(市町村連合)が管理の義務を負う場合は、連邦参議院の同意を必要とする。


第109条 [連邦と諸ラントの財政経済]

(1) 連邦と諸ラントは、財政経済において自立し、相互に依存しない。
(2) 連邦と諸ラントは、財政経済にあたり、経済全体の均衡の要請を考慮しなければならない。

(3) 連邦は連邦参議院の同意を必要とする連邦法により、予算法、景気に即応した財政経済および多年に及ぷ財政計画のための、連邦と諸ラントに共通する原則を、定めることができる。

(4) 連邦は連邦参議院の同意を必要とする連邦法により、経済全体の均衡の撹乱を防止するために、次の事項に関する規定を制定することができる。

地方公共団体および目的団体の起債の最高限度額、条件および時間的順序。
連邦およびラントがドイツ連邦銀行に無利息の預金を行うことを義務づけること(景気調整積立金)。
法規命令制定の授権は、連邦政府に対してのみ行うことができる。法規命令は、連邦参議院の同意を必要とする。法規命令は、連邦議会の要求があれば、廃止しなければならない。詳細は、連邦法で定める。

第110条 [予算および連邦の予算法律]

(1) 連邦のすべての歳入および歳出は、予算に計上しなければならない。連邦企業および特別財産については、繰入れまたは引出しのみの計上をもって足りるものとする。予算は、歳入および歳出が均衡していなければならない。
(2) 予算は、1会計年度または年度別に区別された数会計年度について、最初の会計年度が始まる前に、予算法律によって確定される。予算法律は、予算が部分によって会計年度別に異なる期間執行されることを規定することができる。

(3) 2項1段による法律案ならびに予算法律および予算の修正案は、連邦参議院に送付するのと同時に連邦議会に提出される。連邦参議院は、6週間以内に、また修正案については3週間以内に、その提出案に対する態度を決定する権限を有する。

(4) 予算法律には、連邦の収入および支出ならびに、当該予算法律の時限に関する規定のみをおくことができる。予算法律は、次の予算法律の公布と同時に、または、第115条による授権があるときは、これより遅い時点で効力を失うことを規定することができる。

(続く)
メンテ
Re: 憲法改正について(アメリカとドイツの憲法との比較) ( No.16 )
日時: 2013/03/10 16:32:12
名前: 天橋立の愚痴人間

第111条 [暫定的予算運営]

(1) 会計年度の終了までに、次年度の予算が法律によって確定されないときは、連邦政府は、当該法律が効力を発生するまで、次の目的のために必要な一切の支出を行う権限を有する。
法律に基づく施設を維持し、および法律で定められた措置を実施すること。
連邦の法的義務を履行すること。
前年度の予算によってすでに承認を得た金額の範囲内で、建築、調達およびその他の給付を継続し、またはこれらの目的に対して補助を継続すること。
(2) 特別の法律に基づく租税収入、公課その他の財源からの収入または事業経営資金積立金が、1項の支出を充足できないときに限り、連邦政府は、財政の運営に必要な資金を、前年度予算の最終総額の4分の1を最高限度として、起債の方法によって調達することができる。


第112条 [予算の超過支出および予算外支出]

予算の超過支出および予算外支出は、連邦財政大臣の同意を必要とする。この同意は、予見不可能かつ不可避の必要性がある場合に限り許される。詳細は、連邦法で定めることができる。


第113条 [支出増額または収入減額についての連邦政府の同意]

(1) 連邦政府が提案した予算の支出を増額し、または新たな支出を含みもしくは将来新たな支出を生じさせる法律は、連邦政府の同意を必要とする。収入の減額を含みまたは将来減額を生じさせる法律についても同様とする。連邦政府は、連邦議会がこのような法律について議決することを中止するように要求することができる。この場合、連邦政府は、6週間以内に、連邦議会に態度決定を送付しなければならない。
(2) 連邦政府は、連邦議会が法律を議決した後4週間以内に、連邦議会が議決し直すことを要求することができる。

(3) 法律が第78条によって成立した場合は、連邦政府は、6週間以内に、かつ事前に1項3段および4段または2項による手続をとっていたときに限り、同意を拒否することができる。この期間の経過後は、同意は与えられたものとみなされる。


第114条 [決算の提出、会計検査]

(1) 連邦財政大臣は、連邦政府の責任を解除するために、すべての収入および支出ならびに資産および負債についての決算書を、翌会計年度中に連邦議会および連邦参議院に提出しなければならない。
(2) 連邦会計検査院は、その構成員が裁判官的独立性を有し、決算ならびに予算執行および財政運営の経済性および適正性を審査する。連邦会計検査院は、連邦政府のほか、毎年直接に、連邦議会および連邦参議院に報告しなければならない。連邦会計検査院の権限に関するその他の事項は、連邦法で定める。


第115条 [起債]

(1) 将来の会計年度の支出をもたらす可能性のある起債ならびに人的および物的保証その他の保証の引き受けは、その額が特定されるかまたは特定されうるような、連邦法による授権を必要とする。起債による収入は、予算中に見積られている投資支出の総額を超えてはならない。ただし、経済全体の均衡の撹乱を防止するためのものは例外とする。詳細は、連邦法で定める。
(2) 連邦の特別財産については、連邦法により1項の例外とすることができる。



(防衛事態)

第115a条 [概念および確認]

(1) 連邦領域が武力で攻撃された、またはこのような攻撃が直接に切迫していること(防衛事態)の確認は、連邦議会が連邦参議院の同意を得て行う。確認は、連邦政府の申立てに基づいて行われ、連邦議会議員の過半数かつ投票の3分の2の多数を必要とする。
(2) 即時の行動が不可避とされる状況で、かつ、連邦議会の適時の集会に克服しがたい障害があり、または議決不能のときは、合同委員会か委員の過半数かつ投票の3分の2の多数をもって、この確認を行う。

(3) 確認は連邦大統領により、第82条に従って連邦法官報で公布される。これが適時に可能でないときは、他の方法によって公布されるが、可能な状況になったときは、直ちに連邦法官報で追完しなければならない。

(4) 連邦領域が武力で攻撃され、かつ、権限を有する連邦機関が1項1段による確認を即時に行うことができる状況にないときは、この確認は行われたものとみなされ、かつ、攻撃が開始された時点で公布されたものとみなされる。

(5) 防衛事態の確認が公布され、かつ連邦領域が武力で攻撃されたときは、連邦大統領は、連邦議会の同意を得て、防衛事態の存在についての国際法上の宣言を発することができる。2項の条件のもとにおいては、合同委員会が連邦議会に代わるものとする。


第115b条 [命令・指揮権の連邦首相への移行]

防衛事態の公布とともに、軍隊に対する命令権および指揮権は、連邦首相に移行する。


第115C条 [連邦の立法権限の拡張]

(1) 連邦は、防衛事態に対処するために、ラントの立法権限に属する分野においても、競合的立法権を行使する。これらの法律は、連邦参議院の同意を必要とする。
(2) 連邦は、防衛事態の間、事情が必要とする限り、連邦法により、防衛事態の対処のために次のことをすることができる。

公用収用の補償に関して、暫定的に第14条3項2段と異なる措置を定めること。
自由剥奪に関して、裁判官が、平時に適用される期間内では活動することができないとき、第104条2項および3項1段とは異なる期間、ただし最高限4日の期間を定めること。
(3) 連邦は、防衛事態において、現在の攻撃または直接切迫した攻撃を防御するために必要な限りで、連邦参議院の同意を必要とする連邦法により、連邦およびラントの行政または財政制度について、第8章、第8a章および第10章と異なる規律を定めることができる。この場合、ラント、市町村および市町村連合の生存能力が、とくに財政的な観点からも保護されなければならない。
(4) 1項および2項1号による連邦法は、その執行の準備のために、防衛事態の発生前であっても適用することができる。


第115d条 [緊急立法]

(1) 連邦の立法について、防衛事態においては、第76条2項、第77条1項2段および2項ないし4項、第78条ならびに第82条1項によらず、本条2項および3項の規定を適用する。
(2) 連邦政府が緊急なものと表明した連邦政府の法律案は、連邦議会に提出されるのと同時に連邦参議院に送付される。連邦議会と連邦参議院は、速やかに法律案を合同で審議する。法律が連邦参議院の同意を必要とするときは、その法律の成立には、連邦参議院の投票の過半数の同意を必要とする。詳細は、連邦議会が議決し、かつ連邦参議院の同意を必要とする議事規則で定める。

(3) 法律の公布については、第115a条3項2段を準用する。


第115e条 [合同委員会の権限]

(1) 合同委員会が防衛事態において、委員の過半数かつ投票の3分の2の多数で、連邦議会の適時の集会に克服しがたい障害があり、または議決不能であることを確認したときは、合同委員会は、連邦議会および連邦参議院の地位を有し、両者の権利を統一して行使する。
(2) 合同委員会の法律によって基本法を改正し、基本法の全部もしくは一部の効力を失わせ、または適用を停止することは許されない。合同委員会は、第23条1項2段、第24条1項および第29条による法律を制定する権限はもたない。


第115f条 [連邦政府の権限]

(1) 連邦政府は、防衛事態において、事情が必要とする限りで、次のことをすることができる。
連邦国境警備隊を連邦の全領域に出動させること。
連邦行政機関のほかラント政府に対して、さらに、連邦政府が急を要すると認めるときはラントの官庁に対して、指示を与えること、ならびにこの権限を連邦政府の指名するラント政府の構成員に委任すること。
(2) 1項によってとられた措置は、遅滞なく、連邦議会、連邦参議院および合同委員会に報告しなければならない。


第115g条 [連邦憲法裁判所の地位]

連邦憲法裁判所およびその裁判官の憲法上の地位または憲法上の任務の遂行は、侵害してはならない。連邦憲法裁判所法を合同委員会の法律によって改正することができるのは、それが連邦憲法裁判所の見解によっても連邦憲法裁判所の機能の維持のために必要であるとされる場合に限られる。このような法律が制定されるまでの間、連邦憲法裁判所は、裁判所の活動能力の維持のために必要な措置をとることができる。連邦憲法裁判所は、出席裁判官の過半数で、2段および3段の決定を行う。

第115h条 [憲法機関の機能]

(1) 防衛事態中に満了する連邦議会または州国民代表機関の議員の任期は、防衛事態の終了後6カ月を経て終了する。防衛事態中に満了する連邦大統領の任期、ならびに、連邦大統領が任期満了前に欠けたときの連邦参議院議長による連邦大統領の権限の行使は、防衛事態の終了後9カ月を経て終了する。
(2) 合同委員会による連邦首相の改選が必要となったときは、合同委員会が委員の過半数をもって新連邦首相を選挙するものとし、この場合、連邦大統領が合同委員会に候補者を推薦する。合同委員会は、委員の3分の2の多数で後任者を選出することによってのみ、連邦首相に対し不信任を表明することができる。

(3) 防衛事態の期間中は、連邦議会の解散は禁止される。


第115i条 [ラント政府の権限]

(1) 権限を有する連邦機関が、危険を防止するための必要な措置をとることができる状況になく、かつ、連邦領域の個別の部分における即時の自主的な行動が不可避的に必要であるときは、ラント政府またはラント政府の指定する官庁もしくは受任者が、第115f条1項の意味における措置を管轄の範囲でとる権限を有する。
(2) 1項による措置は、連邦政府により、またラント官庁および下級の連邦官庁との関係では、ラントの首相によっても、いつでも廃止することができる。


第115k条 [非常事態における法令の効力]

(1) 第115C条、第115e条および第115g条による法律、ならびにこれらの法律の根拠に基づいて制定された法規命令は、それが適用されている期間中は、これに反する法の適用を排除する。ただし、第115C条、第115e条および第115g条の根拠に基づいて以前に制定された法律については、この限りでない。
(2) 合同委員会が議決した法律およびこれらの法律に基づいて制定された法規命令は、遅くとも防衛事態の終了の6カ月後に効力を失う。

(3) 第91a条、第91b条、第104a条、第106条および第107条と異なる規律を含む法律は、遅くとも防衛事態が終了した翌々年度末までしか効力を有しない。このような法律は、防衛事態の終了後、連邦参議院の同意を得た法律により改正し、第8a章および第10章による規律に移行させることができる。



第115l条 [防衛事態における法律および措置の廃止、防衛事態の終了、講和]

(1) 連邦議会は、連邦参議院の同意を得て、いつでも合同委員会の法律を廃止することができる。連邦参議院は、連邦議会がこの議決を行うように要求することができる。その他、合同委員会または連邦政府が危険防止のためにとった措置は、連邦議会および連邦参議院の議決により廃止される。
(2) 連邦議会は、いつでも、連邦参議院の同意を得て、連邦大統領が公布する議決によって防衛事態の終了を宣言することができる。連邦参議院は、連邦議会がこの議決を行うように要求することができる。防衛事態は、その確認の前提となった条件が存在しなくなったときは、遅滞なくその終了を宣言しなけれはならない。

(3) 講和については、連邦法で決定する。


(続く)
メンテ
Re: 憲法改正について(アメリカとドイツの憲法との比較) ( No.17 )
日時: 2013/03/10 16:44:43
名前: 天橋立の愚痴人間

(経過規定および終末規定)

以下の各章は省略します。

Art. 116
ドイツ人の概念、国籍の再取得

Art. 117
第3条2項および第11条の経過規定

Art. 118
南西諸ラントの再編成

Art. 118a
ベルリンおよびブランデンブルクの再編成

Art. 119
亡命者および難民事項についての法律に代わる命令

Art. 120
占領費用および戦後処理費用

Art. 120a
負担調整の実施

Art. 121
「構成員の多数」の概念

Art. 122
従来の立法権限の移行

Art. 123
旧法および旧条約の効力継続

Art. 124
専属的立法分野における連邦法の効力継続

Art. 125
競合的立法分野における連邦法の効力継続

Art. 125a
1994年11月15日前に公布された連邦法の効力の継続

Art. 126
旧法の連邦法としての効力継続についての意見の相違

Art. 127
統合経済地域の法

Art. 128
指示権の効力継続

Art. 129
授権の効力継続

Art. 130
現在ある施設の管轄

Art. 131
旧公務員の法律関係

Art. 132
官吏の権利の取消

Art. 133
統合経済地域の行政権の継承

Art. 134
旧ドイツ国の財産の継承

Art. 135
旧ラントおよび旧団体の財産の継承

Art. 135a
旧ドイツ国の債務

Art. 136
連邦参議院の第1回集会

Art. 137
公務員の被選挙権

Art. 138
南ドイツの公証人制度

Art. 139
脱ナチ化規定の効力継続

Art. 140
宗教団体の権利


ヴァイマール憲法

Art. 141
ブレーメン条項

Art. 142
ラントの憲法の基本権

Art. 142a
(削除)

Art. 143
基本法からの逸脱

Art. 143a
連邦鉄道の連邦の専属的立法権

Art. 143b
ドイツ連邦郵便の民営化

Art. 144
基本法の採択、ベルリン法

Art. 145
基本法の公布

Art. 146
基本法の有効期限


(終わり)
メンテ
Re: 憲法改正について(アメリカとドイツの憲法との比較) ( No.18 )
日時: 2013/03/10 16:52:44
名前: 天橋立の愚痴人間

特にドイツの基本法は長文となり転載するのがやっとでした。

この中には、我々の概念では憲法ではなく、法律の領域のものもあります。
それでも、国家のかたちを規定するものとして、目を見張る綿密なもんであり、転載しながら読んでいるだけで、これに対する我々のものの認識の曖昧さを認識させられました。

内容については、徐々に検証して行くとしました、とりあえずは、日本で言われている地域分権とか、道州制の概念が、ドイツに比べて全く上っ面のものであり、理念に欠けた内容であることを痛感しました。


メンテ
Re: 憲法改正について(アメリカとドイツの憲法との比較) ( No.19 )
日時: 2013/03/11 11:22:18
名前: 天橋立の愚痴人間

ドイツ連邦共和国基本法の中に「ラント」と言う言葉が良く出てきます。
これについて知識が必要ですので下記の記事を転載します。

ttp://business3.plala.or.jp/hem-net/deutschland11.html


ドイツは16のラントから成る。このうち5ラントは東ドイツから編入されたものである。ラント(Land)は、日本語では俗に「州」と呼んでいるが、本来は「邦」という方が実態を示すように思われる。これらの邦が集まって「連邦」を形成しているのである。本報告書ではこれまで「州」という言葉を使ってきたが、ここからは以下「ラント」と呼ぶこととする。

 さて、ラントが集まって連邦を形成するという国の成り立ちは、日本のような実質的中央集権体制とは全く逆で、それゆえに日本の「地方分権」のように中央政府が地方自治体に権限を委譲するといった考え方でドイツの制度を見ると大きな誤解を招くことにもなりかねない。

 しかし、先ず邦があり、それが連邦を形成しているといっても、ラントがそれぞれ勝手に行政権や裁判権を行使しているわけではない。国家全体の大きな枠組みは、連邦法によって規定されている。

 この点について基本法第28条、第30条、第31条は次のように規定している。


>第28条(ラントの憲法および市町村の自治の保障)

 ラントの憲法的秩序は、この基本法の意味における共和制的、民主的および社会的法治国家に適合しなければならない。ラント、郡および市町村においては、国民は、普通、直接、自由、平等、秘密の選挙に基づく代表機関を有しなければならない。(以下略)

>第30条 (連邦と諸ラントの権限配分)

 国家の権能の行使および国家の任務の遂行は、この基本法が別段の定めをせず、または認めない限り、諸ラントの任務である。

>第31条(連邦法の優位)

 連邦の法は、ラントの法に優先する。



 以上により、国民の生命の保護が国家の義務であるとすれば、それを実行に移すのはラントであり、そのために各ラントはそれぞれの「救急法」を制定して任務の遂行に当たることとなる。


ラントの権限

 ラントが大きな権限を有することは、昔はそれぞれが独立の王国や公国であったという歴史的な由来によるものと思われる。実際に、今のドイツ地域が中央集権的な国家体制になったのは1933年から44年までのナチス・ドイツの時代だけであった。

 したがって各ラントが独立国にも似た機能を有することは、たとえば「憲法」(Verfassung)という言葉が連邦では使われていないにもかかわらず、各ラントの基本法がそう呼ばれていることにも見ることができる。

 さらに連邦「基本法」の至るところにラントの実力を認めるような条項が見られる。その一つは国民の直接投票にもとづく「連邦議会」に加えて、もう一つ「連邦参議院」が存在することで、その構成について基本法第51条は次のように定めている。


>第51条 (連邦参議院の構成)

(1) 連邦参議院は、ラント政府が任免するラント政府の構成員をもって組織する。これらの者については、ラント政府のその他の構成員が代理することができる。

(2) 各ラントは、少なくとも3票、人口200万以上を有するラントは4票、人口600万以上を有するラントは5票、人口700万以上を有するラントは6票の表決権を有する。

(3) 各ラントは、票数と同数の代議員を送ることができる。ラントの表決は、統一的にのみ、かつ、出席した代議員またはその代理人によってのみ、これを行うことができる。



 すなわち、参議院の権能が衆議院もしくは議会を監視し、暴走を抑えることにあるとすれば、ドイツの場合はラントが連邦の暴走を監視する形となっている。

 さらに連邦官庁の職員についても、基本法の中につぎのような規定が見られる。


>第36条(連邦官庁の職員)

(1) 連邦最高官庁は、すべてのラントから適当な割合で、官吏を任用しなければならない。その他の連邦官庁に勤務する職員は、原則として、その勤務するラントから採用されなければならない。

(2) 軍事上の法律は、連邦におけるラントの編成および特別の郷土的人間関係をも考慮しなければならない。

 

 といっても、連邦が形骸だけのもので、実質は弱体というわけではない。基本法第37条は次のように定めている。


>第37条 (連邦強制)

(1) あるラントが基本法またはその他の連邦法によって課せられている連邦義務を履行しないときは、連邦政府は、連邦参議院の同意を得て、連邦強制によって義務を履行させるために必要な措置をとることができる。

(2) 連邦強制を執行するために、連邦政府またはその受任者は、すべてのラントおよびラント官庁に対して指示権を有する

(引用終わり)


また別の文献では、ラントと連邦政府と言うドイツの制度について下記のように言われています。

ドイツの議会制度は、国民から直接選ばれる連邦議会と連邦参議院があり、そのうち、連邦参議院は各ラントの構成員から送り出されていて、それぞれのラントの利権代表となっている。

我が国の国会議員も実質は地域利権の代表をするところもあるので、それ自体は特に不都合では無いとしても、権限の強さは比較にはならないでしょう。

問題は、憲法の様なものも作り、ラント自身の法の整備も充実し、さらにラント政府と言った行政府も持っているラントが連邦立法に口を出し、かつ、その施行者でもあると言う事です。

これは立法、行政の分離の原則に抵触します。
我が国の都道府県制度も同じではないかと、言う見方もありますが、その裁量権の範囲、強さがまったく異なると言う事ですし、我が国では都道府県の代表として中央に議員を送ってはいません。

ラントの権限を抑えるために、最近(2006年)では、連邦法を改正しラントが口を挟める領域を制約したようです。
また、ラント政府の機能が強いために、それを構成する公務員の充実が必要となり、中央政府のそれと共に経済的な負担ともなっているようです。

同じように、カナダ、アメリカも連邦制をとっていますが、ドイツほど州政府に権限がない体制であるようです。

道州制については、最近、我が国でも話題となっています。
その内容は、とても上記のことを視野に入れたものではなく(道州制が生まれるべき理由もなく)、ただ単に、都道府県の利害のための集合離散いすぎないようです。

このような観点から、ドイツ連邦基本法を読んで頂きたく、この項を起こしました。
メンテ
小沢一郎の憲法論 1 ( No.20 )
日時: 2013/03/12 12:12:50
名前: 天橋立の愚痴人間

アメリカ、ドイツとの比較から入ろうと思っていたのですが、丁度、小沢一郎が憲法について語っている記事を見つけましたので、転載します。

さすが政治家、私が気がついていないことも認識しているようなので参考になると思います。


ttp://my-dream.air-nifty.com/moriyuuko/130307kenpou.html

 それでは、この間総論的なことを言いましたので、今日は逐条についてお話します。憲法審査会、そして憲法改正の議論がいろいろ起きていますので、今の日本国憲法で時々話題となる、あるいは私がこういうところも問題ではないかという改正点のいくつかを申し上げながら、二院制の問題についてもお話を自分なりにしてみたいと思います。


 日本国憲法の改正論議の中で、憲法の条項に沿って申し上げますと、1つは第1条の天皇のところであります。天皇を元首として明記すべし、と憲法で定めるべきであるという考え方もかなり出されております。日本国憲法の第1条、帝国憲法の第1条、天皇。元首の要件としては、例えば統治権があるとか、代表する立場にあるとか、いくつかあります。帝国憲法は言葉通り「万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」の話ですけれども、日本国憲法はご承知の通り、前回もお話しました、象徴天皇制と言われておりますような第1条の表現になっております。


 しかしながら、この間政治塾でも言いましたけれども、象徴というのは異質のものの間で関係として成り立つ言葉でありまして、そこが代表と違うところでございます。ですから、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴が天皇陛下だということでありまして、ここにおるどなた一人として天皇陛下にはなれないわけであります。まさに、事実上万世一系の血統によりまして天皇が決められていくということです。従って、言葉は真逆の、天皇主権と国民主権ということになりますが、事実上は私から言わせると実態は同じだと思っております。


 天皇が政治の権限を持って実際にふるまっておりましたのは、多分平安朝の初期のあたりまで、半分くらいまででしょうが、桓武天皇が平安遷都して以来、その初期のころはありましたけれども、その後はまさに新憲法が定めると同じように、象徴的な立場になっております。それから明治維新で天皇主権の帝国憲法ができて、主権者、統治権の総攬者になりましたけれども、実質的には国務大臣の輔弼の責任という形で、内閣の助言と承認というように定められている日本国憲法と、実態的には変わりはなかったという風に思います。


 ですから、内閣と全く違う意思で天皇陛下が大権を行使したのは、終戦の詔勅。これはまさに文字通り、天皇陛下が時の内閣と違った形で、天皇自身が決定したということです。その例外を除くと基本的に同じ。従って私は結論として、元首を明記する必要はないのではないかと。第1条の象徴天皇ということは、余人をもって天皇になることはできないのですから、万世一系の天皇ということと変わりないと、そして日本国と日本国民統合の象徴だということでありますので、この点私はそう思います。


 それからその次には、憲法9条。これについてはまた別の機会に論議をせざるを得ないので、詳しくは言いませんけれども、憲法9条の文言は、第1次大戦後に作られました不戦条約、ケロッグ=ブリアン条約とも呼ばれておりますが、ここからほぼ引いてきたものだと思います。ほとんど同じ表現で憲法9条と同じ文言で不戦条約に書かれております。それから文言、形態は違いますが、国連憲章第1条にも書かれております。ですから、この9条をどちらかというとライト(右派)の皆さんがものすごく毛嫌いするのですけれども、9条そのものはそれほど毛嫌いする必要のないことであって、不戦の誓いを宣言したものだと解釈すればいいのではないかと私は思います。


ただ国連憲章では第7章の41条、42条で、平和を乱す不心得者は国際協調、国際連合の力をもって制裁する、必要ならば軍事力を行使してこれを鎮圧するという表現になっております。その部分が日本の憲法にはない。前文から、憲法の理念と精神から導き出す以外にない。この部分を憲法逐条にも、1項、9条の3項でもいいし新しい条文でもいいですけれども、国際平和の為に貢献するということについては何の問題もない、ということを、やるならば付け加える形かと思っております。


 いずれにしても9条は、安全保障論議と密接不可分の事ですので、別な機会にやりたいと思いますが、多分憲法改正を言っている人はここが一番の目標なのだと思います。


それからもう一つ9条で、自衛権を明示しろという議論もあります。自衛権というのは現在、当然認められておりますし、自衛隊もあります。すなわち当初は戦力なき軍隊と戦後は言っておりましたけれども、まさに名実ともに軍隊そのものの自衛隊があるわけで、これを違憲だという者はあまりいない。国民の中では大多数が自衛権は当然あるのだと。その量的な、質的な中身についての議論はあるにしても、自衛権を否定することはほとんどないと思います。ですから、自然権としての自衛権ですので、ことさら憲法の条文に書く必要は、書いて悪いというわけではないですけれども、ないと私は思っております。


 次はまさにはた(ともこ)君が言った二院制の問題です。これはぜひ憲法制定の時の国会の議事録を読んで、頭を整理していただいたらいいと思います。このままではだめだという議論が非常になされています。これでは同じことの繰り返しではないかと。だから参議院の性格をもっと違ったものにすべきだという議論がその当時もうんと出ております。しかし現実にどうするのだという話もありますし、それこそ占領軍の問題もありますし、しょうがないというような形で今日の二院制ができたという経過があります。ですから、本来の二院制に期待される仕組みから言えば、全く同じものが二つあるというのは、だれが考えてもいいとは思わないだろうと思います。


 今イタリアがユーロ含みで問題になっていますが、ここでは首班の指名、承認が両院でなければだめだという、その点で全くの同等の権限を与えられているわけですけれども、これがまた混乱の原因にもなるということも言われております。アメリカでは上院がどちらかと言えば強いのですが、これも世界で言えば少数派だと思います。実質上やはり下院が大きな権限を持つという形で、上院は違う、質的にも、選出のされ方もみな違う形でなされておるのが、多分多数派だろうと思います。


 今衛藤(征士郎)さんが一院制をやろうという話を言っておられますが、私は結論として二院制でいいのではないかと思っております。ただ、その中身をどうするのかという問題があります。今定数の問題が言われておりますが、誰も本気になってやりたがらないので、マスコミの餌食になっております。この定数も、なぜこういう問題が起きるかと言いますと、日本の国会議員の定数は人口比から言うとそれほど多いわけではないのです。ところが衆参全く同じようなことを2度繰り返してやっていますので、それであれば(国会議員が)そんなにいらないのではないか、という議論が起こる最大の背景になっているのではないかと思います。


 アメリカでも下院は人口比でもって結構な数がおりますし、イギリスでは10万人に1人ですから、6千数百万人のイギリスで6百何十人の下院議員がおります。詳しく数字を調べていないですけれども、ドイツやフランスでも人口比でもって結構いるのではないかと。イギリス流に10万人に1人ということであれば、日本は1200人の下院ということになってしまいます。ですからその意味で言うと、それほど騒ぐほど、定数だけをとれば、他の全体の行政改革などを別にして、大きな数ではございません。要はどういう機能、権限を持たせるかということになります。


 院の権限、権能ということの背景にあるのは選挙なのです。ですから、選挙をする以上はどうしても政党化します。実態の事を言えば。政党化すれば衆参共に党がいろんな政策決定、その他をやることになりますから、議論も衆議院と参議院で同じようになるということは当然のことであろうと思います。そしてまた本来、二院は一院のチェック機能、良識の府という言葉が使われておりますけれども、これも今言ったような政党化ということと、選挙をすれば必ず一定の利害の代表者ということになります。それが職業やいろんな分野ごとの代表者であるということもある、地域の代表者ということもあれば必ず、どこかの代表でなければ当選するわけがないのですから、そういうことになります。結局はその双方から言って、同じような性格の二院ということになってしまいます。ですから、憲法を本当に改正しようとすれば、どういう風にしたらいいのかと、そこをやっぱり相当議論しないといけない。


ただもう一つは、理屈の上の議論は議論としてそうだという人も多いと思うのですけれども、現実に衆議院、参議院の現職の議員をどうするのだという話に最終的にはなってしまう。これも衛藤征士郎さんは、一院制にして、衆参を合わせた定数にして、現職議員は全部、まず一院、事実上下院の意味を持つ一院ということなのでしょう、にすれば当面問題はないのではないか、みんな議員の身分を持つということになればいいのではないか、という趣旨で言っているようです。それは一院にしなくても、二院制でも、全く機能を違うものにすれば、定数であれ全然他と比べて多いわけではないので、実態上の衆参の現職議員をどうするかという問題も事実上は整理することができるということになります。ですからこの二院制をどうするかという問題は、本当にその機能、権能をどのように一院と二院に与えるか、ということの議論をしませんと、ただただ一院だ二院だと言っていたところで、どうしようもない。子供みたいな話になってしまうということであろうと思っております。


(続く)
メンテ

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