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[2788] 右傾化とは
日時: 2017/11/12 11:26
名前: 天橋立の愚痴人間 ID:b/haTR8Y

最初に引用。

ブログを始めてしばらくたちますが、お寄せいただいたたくさんのコメントを見ていて、ひとつ気になることがありました。左翼的な方からのコメントを見ていて感じたのですが、左翼的な考え方の人達は日本人の右傾化の加速を随分と甘く見ているのではないでしょうか?ネウヨなんてどうせニートばっかりなんだからほおっておけばいいんだ、というのは数年前までの話で現在の状況はもっと深刻です。

そこで今回は最近の日本で起こっている右傾化のメカニズムを三段階に分けて説明したいと思います。(ここでは主に30代40代の人達の右傾化のメカニズムを説明しています。もっと若い世代の右傾化については「日本の社会がゆっくりと息苦しくなっていくメカニズム」をご参照ください。)



三段階の説明に入る前に、前提として理解しておいていただきたいのが、ここ20年強の間に日本人の自信が徐々に失われつつあるということです。

経済成長期の日本では幸せとはひとつひとつ手に入れていくものでした。貧しかった当時の日本人は少しずつ裕福になっていく自らの生活を、幸せを獲得していく過程だと考えていました。

しかしバブル崩壊あたりから、日本人の多くは自分が求めるべき幸せとは何なのかが分からなくなりました。目標を見失ってしまった日本人は自信を失い始めます。

経済の成長期には、大人達は自分の生き方が正しいと信じていましたし、子供達にも自分と同じ生き方を押し付けようとしました。それに対して子供達の側は反抗し、場合によってはグレることもありました。

(中略)

20年以上にわたって、日本の経済は停滞し新しい価値観は見つからず日本人の自信喪失は少しずつ進行していきます。



こういった世相の中で右傾化の第一段階が起こります。

彼等(この段階で右傾化した人の多くは男性です)が急速に右傾化した原因はインターネットの普及とニートの増加です。ニートの男性は「仕事」を通して自信を獲得することができません。ニートの一部は自信の源を自らの内ではなく外に求めました。つまり自信の源を自分で築きあげることを諦め、かわりに「自分は日本人である」という誇りで埋めあわせようとしたわけです。インターネットの普及により、自分の部屋という安全な場所から気軽に勇ましいことを叫べる環境が整いました。同時に同じような主張を持つ人同士がインターネットを介してつながることができるようになったことも右傾化が進行した原因です。

そして右傾化は第二段階へと進行します。

この段階では比較的所得の多いサラリーマンや自営業者にまで右傾化が広がりました。その原因はSNS、特にFacebookの普及です。

(中略)

そしてFacebookでもこれと同様のことが起こります。男性の中でも他人に向かって自分の話をしても分が悪い人には語るべき内容がありません。彼等の大部分は「趣味の話」に逃げ込むかほとんど更新しないという手段を選びますが、一部の人が「自分以外の何かを語る」という方法を選びます。そして反論されにくい「愛国」の話を選びます。彼等は日本というのはすばらしい国で、そこに生きる日本人は日本人としての誇りを忘れてはいけないといった陳腐な内容をまるで自分の意見かのように述べたてます。彼等はかつての友人達に説教するかのように斜め上から話をすることで、自分が一段上に立ったような錯覚を感じて喜びます。実際にはかつての友人達は「あいついったいどうしちゃったんだろうね?」と陰口をたたきあっているのですが、そんなことにも気づかずにパッとしない自分の話をするかわりに国家とか民族主義とかの話をし続けます。つまりFacebookの登場によって、失われた自信を急いで埋めあわせねばならない人達がうまれたために彼等は急いで右傾化したわけです。

さらに右傾化は第三段階へと進んでしまいます。

原因はいくつかありますが、特に大きな原因は隣国の度重なる挑発行為と東日本大震災後の迷走です。

東日本大震災と福島の原発事故をきっかけに日本人はさらに自信を失ってしまいました。新興国が台頭し経済力の優位が薄らいでいく中でも、日本の誇る科学技術や物作りの技術は世界最高のレベルにあるのだということが日本人の数少ない自信の拠り所だったわけですが、原子力発電所の事故は収束のメドさえ立ちませんし、フランスやアメリカの手助けがないと汚染水の処理すらできません。被災地の復興も遅々として進みませんし、化石燃料の輸入増加で貿易赤字が拡大し経常収支まで赤字化の兆しを見せています。日本人の自信はさらに失われてしまいました。そうして、失われた自信を別の何かで埋めあわせようとする傾向が「普通の人々」にまで広がってしまいました。

同じ時期に、隣国の日本への挑発行為はエスカレートしていきます。尖閣諸島周辺の領海をたびたび侵犯され、関係のない国に従軍慰安婦像を設置され、といった一連の出来事は多くの日本人を不愉快な気持ちにさせました。「自虐史観を見直すべきだ」というような主張を受け入れると、それだけで不愉快な気持ちを吹き飛ばすことができますし、同時に失った自信を取り戻したような錯覚を感じることもできます。こうやって右傾化を受け入れることで「民族としての誇り」を失われた自信の代わりにしてしまう人が急速に増加しました。

(中略)

失った自信を「民族の誇り」で補おうとする人達が民族主義や国家主義的なところに逃げ込む現象は日本だけの現象ではなく、アメリカやヨーロッパでも多かれ少なかれ見られる現象です。いかにしてこの問題を乗り越えるのか、これは非常に重大な課題です。

(引用終わり)


この方の御意見にはほとんど賛同はしませんが、何かの挫折を契機に右傾化が始まると言う論旨には興味を持ちます。

イギリスのEU離脱、ドイツのネオナチの台頭、トランプのアメリカ第一の政策など、いわゆる右傾化と言われる現象が続いています。
それは今まで信じてきた資本主義、民主主義の世界が矛盾を露呈し、この制度に身を任せている事が必ずしも良い結果を生むとは限らないと言う疑念が蔓延してきたことにつながるでしょう。

右傾化した社会とは、各国とも、それなりに、その国の繁栄期でもありました。
民主主義と言う世界理念よりも民族の理念を見直そうとする思いです。

そこには冒頭の文章の様に自信喪失につながる不安があるのです。
そうした思いがあってこそ、政治における右傾化があるのです。

こうした観点から見れば、安倍自民党が右傾化していると言われる概要が解るでしょう。

しかしながら右傾化の大半は、単なるノスタルジアに過ぎず、そこには現代の不安を解消する何物もありません。

本当は、こういう時こそ、勇気を持って改革を目指すべきであるはずですが、何をどうすればよいか方向性が定まらない不安が右傾化につながるのではないでしょうか。

無意識に資本主義、民主主義への不安を持つのではなく、真正面から資本主義、民主主義の社会を見直すことが必用ではないでしょうか。

新しい社会の有り様を、真正面から捉えて考えるべきではありませんか。

メンテ

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Re: 右傾化とは ( No.1 )
日時: 2017/11/12 23:18
名前: 天橋立の愚痴人間 ID:b/haTR8Y

先のレスで「右傾化」と言う言葉が出てくる様子を書きましたが「右傾化」の内容について論究した訳ではありません。
「右傾化」と言っても戦前の大東亜共栄圏構想に重ね合わせてみる向きがありますが、一部の右翼ならばいざ知らず、大衆が、その様なものに反応する訳はないでしょう。

右傾化とは、戦前の国粋思想ではなく、新保守主義と捉えた方が理にかなっています。
その「新保守主義」「新保守層」について一文を紹介します。


1980年代以降の日本政治を動かしてきた新保守層とはどういう人たちなのか、どういう特徴があるのかを分析することで現代日本政治の分析をしてみたいと思います。地域団体や業界団体など利権政治・しがらみの政治に代表される旧保守、都市部労働者や貧困層を基盤に福祉・人権・平和を訴える革新、いずれにも与しない勢力として新保守層は1980年代以降存在感を示してきました。新保守層の核になるのは都市部ホワイトカラー層です。旧保守の利益誘導の恩恵はなく、革新勢力のように大企業との対決はしない人々です。

 新保守層の思想的特徴とは新自由主義(ネオリベラリズム)と国家主義です(中野晃一「右傾化する日本政治」より)。企業に雇用されるサラリーマンゆえ、企業と対決するよりも企業と協調して自らの生活を維持しようとします。そのため、企業の経済的自由を確保し、企業収益を拡大させる政治を志向します。この点で財界と一致します。具体的には経済活動の規制緩和、行政機構の解体・民営化です。労働組合に所属するサラリーマンも多いのですが、労働組合には懐疑的・否定的です。中曽根政権での公社民営化、小泉政権での郵政民営化、橋下維新による大阪市廃止の大阪都構想、これらすべて行政機構の解体という新自由主義的な改革です。新保守層の新自由主義化は1990年代後半の企業リストラの激化による労働組合不信、公務員バッシングによって加速していきました。ただ、どの政党がいちばん新自由主義的かは目まぐるしく変化していました。1990年代後半は自民党の利権政治へのアンチテーゼとして民主党や自由党が新自由主義的改革を掲げて台頭しましたが、小泉政権が新自由主義を標榜すると民主党はリベラル化しました。小泉以降の自民党政権が新自由主義的改革のスピードを緩めると新保守層の支持を失い、民主党政権が誕生しました。その民主党政権が行き詰まると、みんなの党や維新の会が新自由主義的改革を訴えて躍進しました。その第三極も尻すぼみになっているのが現状です。現状の安倍政権は新自由主義的改革をすすめる一方で地域創生や一億総活躍といったスローガンも掲げています。旧保守と新保守を安倍政権が総取りしているのが現状ではないでしょうか。ただ、TPP問題で農協が離反したり、大阪ではアンチ公務員感情を動員する大阪維新が根強い支持をもっているように、「取りこぼし」もみられます。

 新保守層のもう一つの思想的特徴としては国家主義(ナショナリズム)があります。中曽根政権、小泉政権と新自由主義を掲げる政権は一方で靖国参拝など国家主義的色彩も強いのが特徴です。新自由主義には「旧保守切り捨て」の側面があります。小泉政権の郵政民営化は郵政関連団体の離反を招きましたし、橋下の大阪都構想では大阪の自民党が反対運動の先頭に立ちました。「国民切り捨て」のマイナスイメージをカバーするために愛国心や郷土愛・地域愛を過剰に強調してみせる必要がある、それが国家主義の背景にあります。もう一つは、強力な改革を進めるためには、強力な権力が必要になるため、愛国心や地域愛を動員して行政権力の強大化を正当化しているという側面があります。国家主義それ自体が要請されているというよりも新自由主義改革の手段として国家主義が利用されているのではないかと思います。橋下の大阪都構想が否決されると維新の党は分裂して「おおさか維新の会」に改名して地域愛を強調して大阪ダブル選挙を勝ち抜きました。橋下・大阪維新による「大阪都構想」と「大阪の地域政党化の強調」とは小泉政権における「郵政民営化」と「靖国参拝」とシンクロしています。新自由主義的改革とそれを補完する地域愛・愛国心という関係です。

 新自由主義勢力が郷土愛や愛国心に訴えかけるのは旧保守や革新のような「利益の分配」ができない・する気がないからです。大阪都構想では市の財源を吸い上げて企業誘致やインフラ整備・法人税減税などに充てる予定でした。住民サービスや地域活動への補助を削って財界・大企業の利益追求のアシストに専念するのが「大阪都」でした。市民の福祉・生活は悪化するわけですから本来なら市民の大多数は反対に回ってもおかしくないはずです。しかし新保守層は企業利益と一体化した存在ですから企業優位の改革に賛同します。そして不利益を受けるだけの貧困層は「アンチ公務員」「アンチ東京」感情の動員によって都構想賛成に回った人が数多くいました。

 この新保守層が今後どうなるのか?私には二つのパターンが考えられます。新保守層は新自由主義的改革をどんどん後押しすることで「墓穴を掘って」しまいます。新自由主義的改革は貧困と格差を拡大し中間層である新保守層を解体していきます。その大半は貧困層に転落します。貧困層に転落した人々はナショナリズムやアンチ公務員感情に軸足を置く形であいかわらず新自由主義改革を支持し続けるというのが一つ目のパターンです。自らを貧困層に転落させた政治勢力をそれでも支持し続けるという「肉屋を支持する豚」状態になるのではないかという予測です。もう一つは貧困層に転落することで革新勢力に近い政治意識をもつようになるのではないかという予測です。近年の共産党躍進はその兆候の一つではないかと思えます。国家権力を疑い、新自由主義改革を拒否し、人権と平和を希求する勢力になる可能性です。しかし憲法が改悪され基本的人権がないがしろにされ平和主義を放棄してしまえば革新勢力の主張する「憲法を政治に生かす」ことはできなくなってしまいます。その意味でこの参議院選挙は非常に大きな意味のある選挙だと思います。次回はこの参議院選挙の展望について考えてみたいと思います。

(引用終わり)

上の文章には筆者のこじ付けが多々あり見苦しい文章ですが、いわゆる新保守層と言うのは、体制側に属して、その経済的な恩恵に浴する事ばかりを狙っている層と言えるでしょう。

その連中には社会全体の理念、格差を考える優しさなどなく、我も我もと勝ち組に残れると思っている連中なのです。
実際には、その新保守層自体から切り捨てられることも解らない、厄介な連中の事です。
こうした連中が深く考えずに安倍自民党を支持しているのです。

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