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ジェットストリーム 詩:堀内茂男 ナレーション:城達也 1 |
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ミスター・ロンリー | ダウンロード 右クリック、対象を保存 |
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遠い地平線が消えて 深々とした夜の闇に心を休める時 遥か雲海の上を、音もなく流れ去る気流は たゆみない宇宙の営みを告げています。 満天の星をいただく、果てしない光の海を ゆたかに流れ行く風に心を開けば きらめく星座の物語も聞こえてくる 夜の静寂の何と饒舌なことでしょうか。 光と影の境に消えて行った 遥かな地平線も、瞼に浮かんでまいります。 |
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花のかおり | ダウンロード 右クリック、対象を保存 |
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空港の建物に、ニース、コート・ダジュール、と書いてあって 空色の海と、白壁のホテルが 美しく生まれついた娘のように光り輝いている。 花の薫りに酔い心地の遊歩道では 渚の玉石の上に タオル一枚で寝そべっている娘が 日ざしの熱烈な抱擁に身を任せているだろう。 旅人は、もうここを動かない などと我を忘れてしまいそうだが 更に、山のグラースの町の方へ 花の薫りを辿って行くがいい。 風雪になめされた石壁の間にも 花の薫りがしみついている町があって そこで、軽やかな心を抱いて、野へ出ることもできる。 さながら、朝露に濡れた花畑で 娘たちとともに、バケツ一杯の花を摘む人のように…。 |
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ギラルデリー・スクエア | ダウンロード 右クリック、対象を保存 |
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サンフランシスコの、ギラルデリー・スクエアの前の 歩道の並木の下に立つお前。 自塗りのベニヤ板の、背丈に合わせた箱形のお前。 脇腹にあいた穴ぼこからコインを落とし込むと 顔の前の庇を上げて、下手いラッパをひと吹き。 そして、パタンと庇をおろし 再び黙り込むお前。 ヒューマン・ジュークボックスなんて冗談じやない。 お前はそっくりそのまま、ほかの宇宙から来た詩人なのだろう。 不時着した、お前の小さな宇宙船。 カプセルの中で、さなぎのように不自由なお前が 太陽系の外へ、SOSを送り続けているのが 私には分かるのだよ。 |
ホテル・サンスーシー | ダウンロード 右クリック、対象を保存 |
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グリンデルワルトのホテルが、バカンス客で一杯の頃だ。 小道を上がったホテル・サンスーシーでは 訳けありの娘が一人 二階の小部屋で長逗留しているかもしれない。 幸福な家族連れは 三階の家族部屋を占領して エクストラのソファーベットは勿論 梯子を上がった屋根裏の子供ベットも目一杯使って 賑やかにやっているだろう。 気の付くマダムが 朝の食堂のほど良いテーブルを、一人旅の娘の為に用意して それとなく話し掛けなどして 若者達の目を引くように仕向けているだろう。 窓からは アイガーの厳かな峯が希望のように見えている筈だ。 |
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夜霧のピガール〈夜霧〉 | ダウンロード 右クリック、対象を保存 |
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静かに降り続いたパリの雨が 日暮れに上がると、霧になった。 クリッシーの盛り場に 赤や青のネオンがにじみ 歩道や建物の濡れた顔が、薄紅色に上気している。 水銀灯の光をさし入れた街路樹の緑が、本の下道を染め 恋人遠の散歩が、夜霧にひたされている。 びっしりと並んだ駐車の列に、更に割り込もうとする車や 押しのけて出ようとする車のエンジンの音が 盛り場の騒ぎに輪をかけている。 濡れた歩道を七色に染めて どれだけの人を飲み込んだネオンか。 人いきれで充電し、更に新しいお客を誘い込み 霧の中で妖しい光を放つ、欲望の胸飾りのように見えたが…。 |
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サン・マルコの恋人 | ダウンロード 右クリック、対象を保存 |
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ベニスのサンマルコ広場で 夏が海風に吹かれ 広場にテーブルを出したいくつものレストランが 生バンドを揃えて客引きに余念がない。 夏の消息が入り乱れ 寺院のひさしに、どっさり人が登って見ているので 広場の人々は意識過剰になっている。 似顔絵のモデルさながら レストランのテーブルで気取っているご婦人のところヘ カメリエーレが、粋な知らせを運んでくる。 行きずりの男女が、まことしやかなゴンドラに乗っていく街のことだ。 夏化粧を塗りかさねて恋のふりをすることなど 何の造作もありはしない。 |
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