[3070] 介護の問題について
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- 日時: 2018/11/17 23:28
- 名前: 天橋立の愚痴人間
ID:3D5aEK9c
- 介護の問題が盛んに言われていますが、実際には何が、どのようになっているか把握できないのではないでしょうか。
介護保険の事業費は2017年で12兆円を超えています。 介護保険料が高くて困ると言う方もあるでしょうが、介護保険料で賄える金額は、そのうちの半分、6兆円弱であります。 後は、国家、都道府県、市町村などの公的費用をつぎ込んでいます。
それでも、実際は介護要員が不足しているなど、問題が続出しています。 このスレッドでは、介護の問題に注目をしてみましょう。
介護職には以前からいわゆる3K(きつい、汚い、危険)というイメージがつきまとい、敬遠されがちな業種であることはご存じの通りでしょう。せめて、給与水準が平均的なものであれば一定の求人を見込めるものの、現状そうはなっていません。
厚生労働省の統計によれば、2014年の全産業における平均月給は32万9600円。これに対して、福祉施設の介護員は21万9700円、訪問介護員(ホームヘルパー)は22万700円、ケアマネジャーも26万2900円と全産業平均を10万円近くも下回っています。
介護報酬の仕組み 介護保険から出る介護報酬(補助金)。 これがなかなか分かりにくいですが例を挙げて説明しましょう。
介護サービスへの報酬は、介護度により違ってきます。
要支援1 4970単位/月 要支援2 10400単位/月 要介護1 16580単位/月 要介護2 19480単位/月 要介護3 26750単位/月 要介護4 30600単位/月 要介護5 35830単位/月
が限度として施設へ支給されます。 1単位は10円くらいですので、上の表で言えば、要支援1の人に対しては49700円、要介護5の人には358300円が支給されることになります。 この他にも、介護用品への補助など他の補助もあるので要介護5の人には40万円くらいが支給されることにもなります。
多くの介護施設は、この支給金額を目標に運営されていて、100人を収容していれば、月に2000〜3000万円を介護保険料から受け取ることになります。 施設は収容者だけではなくデイサービスや訪問介護をしていますので、実際は3000〜4000万円の金が入ってきます。
では介護要員の時給の換算をしてみましょう。 今度は在宅介護の人の例(要介護5の人)で計算します。
30分以内の訪問介護を月に17回受ける。 同じく30分以内だが、深夜、早朝の訪問介護を月に43回受ける。 30分から1時間の訪問介護を月に18回受ける。 御覧のように月に80回近い訪問介護を受けている重症の方です。 この方の介護の為に支払われる介護保険料は38万円くらいになります。
介護に関わった員数で見てみましょう。
30分以内の訪問介護 17回×1 17時間 同じく深夜・早朝分 43回×2(割り増し) 86時間 30〜1時間の訪問介護 18回×1.5 27時間 合計で130時間ですが、待機時間を含めて150時間としましょう。 時給を1300円として、一人が受け取る報酬は195000円となります。
ところが、先に上げたように介護職員の平均月収は20〜25万円です。 月に22日働くとして、時給は 月収20万円として200000÷(22×8)=1136円 月収25万円として250000÷(22×8)=1420円です。
概ねは計算が合うでしょう。 介護施設としては介護要員へ支払う人件費は全予算の半分くらいに抑えて置かないと、他の職員、及び食費を含む施設の維持費が足りなくなります。
介護施設が破綻する場合もある様です。 また、このような状況なので人件費を抑えるために要員を減らしたり出来るだけ安価な労働力を求める結果になります。
次に介護が必要な人の数と介護要員の現状について表で現します。
介護が必要な人 介護要員 2000年 218万人 55万人 2016年 622万人 200万人(実際は195万人) 2025年(予測) 250万人(35万人不足すると言われている)

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